鳥栖スタジアム北部グラウンド

鳥栖スタジアム北部グラウンド

鳥栖スタジアム北部グラウンド（とすスタジアムほくぶグラウンド）は、佐賀県鳥栖市弥生が丘に位置する球技場です。このグラウンドは、Jリーグに所属するサガン鳥栖の主な練習場として使用されることが多く、一般的には「鳥栖市北部グラウンド」と呼ばれています。正式な名称は鳥栖市の条例に基づくもので、サガン鳥栖のホームスタジアムである「鳥栖スタジアム」の付属施設となっています。

建設の経緯

鳥栖市は1996年に鳥栖スタジアムを開場して以来、Jリーグに参加しているサガン鳥栖や、Jリーグ入りを目指している鳥栖フューチャーズに対し、施設の優先使用を含む支援を行ってきました。しかし、クラブ専用の練習場を確保するには至らず、そのため天然芝1面を備えた市営グラウンドが1990年度に設置されました。これは鳥栖北部丘陵新都市（通称「弥生が丘」）エリアにあり、地域振興整備公団が整備を行ったものです。

当初の施設はプレハブの管理事務所のみで、選手たちは簡易シャワーで練習後のクールダウンを行う状況でした。選手の豊田陽平はこの環境を「海の家みたいなところ」と形容しました。このような環境の中、2013年度から始まったJリーグクラブライセンス制度の導入により、専用の屋内トレーニングやクラブハウス、メディカルルームを整備する必要性が増しました。

その結果、サガン鳥栖は2011年にJ2で2位となり、翌年にはJ1に昇格しましたが、専用の練習施設が不足していたため、鳥栖市が主体となって北部グラウンド内に新たにクラブハウスと天然芝グラウンドを整備する計画が進行しました。この整備事業には4億6,900万円の総事業費がかかり、鳥栖市および佐賀県が負担を分け合いました。

整備工事は2012年の秋に開始され、2013年4月には落成式が行われました。なお、鳥栖スタジアムの命名権が満了する際に本施設にも命名権の導入を計画していましたが、応募がなかったため見送られることとなりました。

施設の概要

新たに整備された鳥栖スタジアム北部グラウンドには、天然芝のグラウンドが2面用意されています。スタンドは存在せず、観戦は北側のエリアから行われるため、観客は少し距離を置いて選手の練習を見守ることになります。また、クラブハウスは軽量鉄骨造りで2階建て、延床面積は約900平方メートルです。主にロッカー室やトレーニング室、マッサージ室や浴室などが完備されています。

利用状況

主にサガン鳥栖の練習のために利用されますが、天然芝グラウンドはサガン鳥栖に優先的に貸し出される一方で、日中は市民にも開放されています。市ではサッカーだけでなく、ラクロスやグラウンドゴルフなどの利用も想定されています。また、2024年には第78回国民スポーツ大会（SAGA2024）のサッカー競技の会場の一つとして利用されることになっています。

アクセス

交通アクセスについては、JR鹿児島本線の弥生が丘駅から約1.5km、徒歩で25分ほどの距離にあります。また、JR鳥栖駅からタクシーを利用すれば10分程度で到着します。さらに、西鉄バスを利用することで、鳥栖駅や弥生が丘駅から「北部グラウンド西」という停留所で降りれば、すぐにアクセスできる利便性があります。近隣の鳥栖筑紫野道路の柚比ICから約500m、また鳥栖プレミアムアウトレットからも900mほどの位置にあり、多くの人々が利用できるスポーツ施設となっています。

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