鳥谷元

鳥谷 元

鳥谷 元（とりや はじめ、1947年6月11日 - ）は、福岡県出身の元プロ野球選手（投手）。力強い速球を武器とする本格派として、1960年代後半から1970年代にかけてNPBでプレーした。

来歴・人物

鳥谷元は、福岡県に生まれ、地元の築上中部高校（現在の青豊高校）で野球の腕を磨いた。高校時代には、後に伝説として語り継がれることになる一戦を経験している。それは、福岡県大会において飯塚商業高校と対戦した試合であり、両チーム一歩も譲らぬまま延長戦に突入。驚異的な粘り合いの末、なんと延長36回という途方もない長さの激闘を繰り広げた。この歴史的な一戦は、鳥谷の野球人生における忘れられない出来事の一つとなったに違いない。

高校卒業後、鳥谷はプロ野球選手を目指す。1965年に開催された第1回プロ野球ドラフト会議において、中日ドラゴンズからドラフト11位という指名順位ながら、その才能を見込まれて入団を果たした。入団当時、鳥谷は速球を最大の武器とする本格派投手として期待されており、同年のドラフト1位で入団した豊永隆盛投手らと共に、将来の中日投手陣を担う存在として期待が寄せられた。

プロ入り後、鳥谷は主に二軍で研鑽を積んだ。そして、プロ3年目となる1967年に念願の一軍初登板を果たし、このシーズン中に合計4試合のマウンドを経験した。しかし、一軍でのレギュラー定着には至らず、プロ4年目のシーズンを終えた1968年のオフシーズンに、広島東洋カープへの移籍が決定した。

新天地である広島カープでは、背番号を改め、新たなスタートを切った。しかし、残念ながら広島では一軍での登板機会を得ることはできなかった。チームの戦力として貢献するために努力を続けたものの、厳しいプロの世界で再び一軍のマウンドに立つことは叶わなかった。

選手としての特徴としては、強靭な肉体を持ち、大きな故障が少なかった点が挙げられる。また、投球技術においては、切れ味鋭いカーブを武器とし、マウンド上で落ち着いたコントロールを見せることもできた。加えて、持ち前の思い切りの良いピッチングスタイルで打者に向かっていく気概もあった。一方で、試合中に感情的になりやすい一面も持ち合わせていたようだ。

広島への移籍後も懸命にプレーを続けたが、1972年シーズンを最後に現役を引退することを決断。プロ野球選手としてのキャリアにピリオドを打った。プロ通算では中日時代の4試合登板のみという結果に終わったが、高校時代の伝説的な試合や、プロの世界で磨いた投球術は、彼の野球人生を彩る要素となっている。

詳細情報

年度別投手成績

プロ野球での一軍公式戦登板は、中日ドラゴンズ時代の1967年に記録した4試合のみであるため、年度別の詳細な投手成績（勝利数、防御率など）は特筆されるほどのデータが存在しない。

背番号

プロ生活で背負った背番号は以下の通り。

46 （1966年 - 1968年、中日ドラゴンズ）
57 （1969年 - 1972年、広島東洋カープ）

関連項目

福岡県出身の人物一覧
中日ドラゴンズの選手一覧
* 広島東洋カープの選手一覧

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