鳥辺野

鳥辺野（とりべの）

鳥辺野は、京都市東山区に位置する地域名であり、古くから葬送の地として知られています。鳥部野、鳥戸野とも表記されます。

歴史

平安時代以降、鳥辺野は葬送の地として広く認識され、『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学にもその名が登場します。藤原道長もこの地で荼毘に付されたと伝えられており、貴族や僧侶などの埋葬地として利用されてきました。京の三大葬地としては、「東の鳥辺野」、「西の化野」、「北の蓮台野」が挙げられます。

一条院皇后宮が埋葬された地も鳥辺野の南とされており、宮内庁によって京都市東山区今熊野泉山町の泉涌寺境内北の鳥戸野陵に治定されています。

鳥辺野の範囲

鳥辺野の範囲については、時代や資料によって解釈が異なり、明確な定義は存在しません。

現在においては、以下の地域が鳥辺野の一部として認識されることがあります。

京都市東山区の清水寺から大谷本廟に通じるあたり
京都市東山区の清水寺南側に広がる野
大谷本廟一帯

平安時代においては、さらに広範囲な地域を指していたと考えられています。

現在の地から阿弥陀ヶ峰にかけての地域
現在の五条坂付近から今熊野付近にかけての地域
阿弥陀ヶ峰西麓一帯

鳥辺野を舞台とする作品

鳥辺野は、その歴史的背景から、多くの文学作品や楽曲の舞台となっています。

小説

鳥辺野心中（花房観音）
鳥辺野にて（加門七海）

楽曲

* 鳥辺野（さだまさし）


鳥辺野は、葬送の地としての歴史を持つ一方で、豊かな自然に囲まれた場所でもあります。現在では、静かな佇まいを残し、歴史を感じさせる場所として、多くの人々が訪れています。

もう一度検索