鳥飼八幡宮

鳥飼八幡宮：福岡の鎮守、縁結びと安産の神

鳥飼八幡宮は、福岡県福岡市中央区今川に位置する歴史深い神社です。かつては県社に列せられ、現在も福岡市の鎮守として多くの信仰を集めています。縁結び、安産、子守の神として広く知られ、地域の人々の生活に深く根ざした存在となっています。

御祭神と由緒ある境内

本殿には、主祭神として応神天皇（文化の神、厄除けの神）、神功皇后（子安の神）、玉依姫尊（縁結びの神）が祀られています。さらに、合祀された神々として、大物主大神（航海・交通安全の神）、崇徳天皇もおり、多様な信仰ニーズに応えています。

境内には、黒殿神社（武内大臣、鳥飼黒主）、天満神社（菅原道真、倉稲魂命）、恵比須神社（八重事代主神、狭依姫神）、鹽竈北辰神社（武甕槌神、経津主神、塩土翁神、天御中主神）、平野神社（平野國臣）など、多くの摂社末社が鎮座しています。これらの神々も、それぞれ延命長寿、学業成就、商売繁盛、美容など、多岐にわたるご利益を授けるとされています。

特に黒殿神社は、神功皇后、応神天皇を補佐した伝説的な大臣・武内宿禰と、鳥飼氏の始祖を祀っていた神社として知られていました。老朽化のため2020年に解体されましたが、遷宮事業の一環として再建が予定されています。

鳥飼八幡宮の創建と歴史

鳥飼八幡宮の創建は、神功皇后の三韓征伐帰還に遡ります。皇后が姪浜に上陸し、鳥飼村平山で宴を開いた際に、人々のもてなしに喜び、胎内の皇子（後の応神天皇）の将来を祝したと伝えられています。この時、皇后が滞在した地を起源として、村長の子孫が「若八幡」として祀り始めたのが始まりとされています。

その後、代々鳥飼氏が奉祀し、戦国時代には香椎宮大宮司の武内氏の支族が社職を司るようになりました。関ヶ原の戦いの後、黒田長政が筑前国主となると、慶長13年（1608年）に鳥飼村八幡宮の社地に別邸を構えることになり、現在の鎮座地に仮宮が建てられました。

寛永2年（1625年）には鳥飼氏氏子により新たな神殿が建立され、正遷宮が行われました。この拝殿は黒田氏家臣の平山式部丞重道が建立したもので、福岡城西の総氏神として城下の人々に崇敬されました。

寛永18年（1641年）からは、途絶えていた古来の祭典「宮座献饌祭」が復活し、現在も続けられています。この祭典で神前に供える御供を運ぶ道は「御供道」と呼ばれ、現在もその名残が残っています。

明治35年（1902年）には旧社地に福岡女子師範学校が建設され、大正12年（1923年）には神功皇后の駐輦跡を記した記念碑が建てられました。

近年では、令和3年（2021年）に納骨堂「祖霊殿」がグッドデザイン賞を受賞するなど、現代社会にも貢献する神社として注目を集めています。

アクセスと情報

鳥飼八幡宮は、公共交通機関や車でのアクセスも良好です。公式ウェブサイト、Facebook、Instagramでも情報を発信していますので、参拝を検討される方は、事前に最新情報を確認することをお勧めします。

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