鳴尾健

鳴尾 健

大阪府大阪市に生まれ、1960年5月1日に誕生した鳴尾 健氏は、福井街角放送株式会社のアナウンサーであり、同社の代表取締役を務める人物です。長年にわたり福井の放送界に貢献し、コミュニティFMの運営を通じて地域社会との結びつきを深めています。

キャリアの始まり

京都産業大学外国語学部言語学科を卒業後、1985年4月に福井放送株式会社にアナウンサーとして入社しました。福井放送では、ラジオ・テレビ双方の多くの番組を担当し、多岐にわたるジャンルでその才能を発揮しました。特にラジオ番組では、聴取者との距離が近い親しみやすいスタイルで人気を博しました。

福井放送での活躍と受賞歴

福井放送在籍時には、アナウンサーとしてだけでなく、番組制作においてもその手腕を発揮しました。1987年にはJRNアノンシスト賞のラジオCM部門で優秀賞を受賞。同年には、自身が記者としてリポートした「鳴尾健の見た日本海重油災害」が日本民間放送連盟賞のラジオ報道番組部門で最優秀賞に輝くなど、報道分野でも高い評価を得ました。1998年にはNNSアナウンス賞のラジオ部門で優秀賞を受賞。さらに2000年には、ラジオ娯楽番組「20世紀探訪『りんごの旅路』」が日本民間放送連盟賞のラジオ娯楽番組部門で優秀賞を受賞し、権威あるギャラクシー賞のラジオ選奨にも選ばれるなど、その制作能力と表現力は高く評価されていました。

担当した主な番組には、ラジオでは「るんるんサタデー土曜のワイド」「さわやかFUKUIモーニングワイド」「鳴尾健のどんなモーニング」「たんたん竹本たまげた鳴尾」「花の土曜日さわやかモーニング」「FBCラジオキャンパス〜いいもの探検隊〜」「しんしん症候群（シンドローム）」「なまDE1発 水曜日」「来たか金曜待ってたホイ!」などがあり、テレビでは高校野球や競輪の実況中継なども担当していました。甲子園球場での高校野球実況も行うなど、幅広いスポーツ中継でも活躍しました。

コミュニティFMへの転身と代表としての活動

福井放送での実績を積み重ねた後、福井街角放送株式会社に移り、コミュニティFM局の運営に深く関わることになります。現在は同社のアナウンサーとしてマイクに向かう傍ら、代表取締役として経営の舵取りを行っています。地域に根ざした放送局として、地元情報の提供や防災情報の発信に力を入れています。

福井街角放送では、「モーニングあいらんど」「上方演芸会」「J-POPグラフィティ」「たんたん竹本あっぱれ鳴尾」といった多様なジャンルの番組を担当しています。また、福井フェニックス花火や福井競輪といった地元のイベントの生中継も積極的に行い、地域の賑わいを電波に乗せて届けています。

業界団体での貢献

コミュニティ放送業界全体の発展にも貢献しており、2008年4月にはJCBA日本コミュニティ放送協会の理事に就任し、全国のコミュニティ放送局の活動を支えました。また、災害発生時の情報伝達システムである公共情報コモンズ（Lアラート）の運営諮問委員を2014年6月から務めるなど、防災情報の発信体制強化にも深く関与しています。2021年6月には、JCBA日本コミュニティ放送協会の北陸地区協議会会長およびJCBA北陸地区理事に就任し、北陸地方におけるコミュニティFMの連携強化と活動推進にリーダーシップを発揮しています。

地域文化への貢献：落語振興

放送界での活動に加え、地域文化の振興にも情熱を注いでいます。特に落語に造詣が深く、2014年1月には「福井駅前寄席きたまえ亭」を設立しました。さらに2015年4月からは「福井まちなか落語会」の席亭を務めるなど、福井における落語文化の普及と発展に尽力しています。同年9月には「落語 月の会（代表：葵亭真月）」に加入しました。

防災への貢献と表彰

福井街角放送での活動を通じて、地域社会の安全・安心に貢献しています。臨時災害放送局制度の普及に貢献した功績により、2020年6月には感謝状が贈られました。また、防災対策としてのラジオの重要性について広く周知・啓発活動を行ったことに対しても、2021年6月に感謝状が贈られるなど、災害時におけるコミュニティFMの役割向上に大きく貢献しています。福井街角放送で制作されたJCBA制作「Cの力、Rの絆」では総括を担当するなど、番組制作面でも貢献しています。

まとめ

鳴尾健氏は、福井放送での卓越したアナウンス・制作能力と豊富な経験を基盤に、福井街角放送の代表として地域に根差した放送活動を展開しています。業界団体の要職を通じて放送界全体の発展や防災情報伝達体制の強化に貢献する一方で、地域文化である落語の振興にも尽力するなど、多岐にわたる分野で活躍しています。その活動は、放送人としてだけでなく、地域社会の一員としての強い責任感と情熱に支えられています。

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