鴨川 (富山県)

鴨川について

鴨川（かもがわ）は、日本の富山県魚津市を流れる二級河川で、鴨川水系の本流です。この川は別名「神明川」とも呼ばれ、かつては河口近くで『鬼江川』（おんねがわ）と称されていたこともあります。鴨川は自然環境に恵まれた地域を流れ、地元住民にとって親しみ深い存在です。

地理

鴨川は、魚津市の黒谷にある片貝川の黒谷頭首工から取水し、流路を変えながら片貝地区の農地に潤いを与えています。魚津市の中心部に近づくと鴨川と呼ばれ、最終的には魚津市本町と諏訪町の境界を経て、富山湾に流れ込みます。こうした流れは地元の農業と生活に深く結びついており、地域社会に重要な役割を担っています。

歴史

鴨川は古くから魚津城の城下町として重要な役割を果たしており、城の堀としても利用されていました。地域の人々にとって、この川は故郷の象徴であり、愛される存在でした。しかし、1988年には県内で最も汚染された河川の一つとして知られるようになりました。この状況を受け、「鴨川にもサケを呼ぶ会」が発足し、河川の清掃や毎年2月にサケの稚魚を放流する活動が行われました。この活動は「カムバック・サーモン、カムバック・クリーン」というテーマの下で続けられましたが、メンバーの高齢化や地元小学校の統廃合により、2018年には解散しました。その後、2019年からは村木地区振興協議会がこの事業を引き継いでいます。

利水

特に注目すべきは、片貝川の伏流水が魚津市鴨川町で川底から湧き出している「てんこ水」です。この水はその噴出の様子から名付けられ、江戸時代早期から生活用水や豆腐、かまぼこの製造、魚市場や銭湯などで利用されていました。しかし、河川の汚染が進むにつれて、これらの用途では使えなくなりました。

河川施設

鴨川には、餌指公園（えさしこうえん）という遊水公園が存在します。この公園は鴨川の下流に位置し、地域住民にとってリクリエーションの場となっています。自然環境の中で憩いのひと時を過ごすことができ、地域の人々に愛されています。

まとめ

鴨川はただの川ではなく、地域の歴史や文化、生活に深く根ざした存在です。清掃活動や地域の努力によって少しずつその環境が回復しつつある今、鴨川は未来に向けてさらなる改善が期待される重要な河川です。

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