鴻 (隼型水雷艇)

鴻（おほとり）

鴻（おほとり）は、かつて日本海軍で運用されていた水雷艇で、隼型水雷艇の15番艦です。艦名の由来は、同名の艦艇「鴻型水雷艇」のネームシップにちなんでいます。この艦艇は、1901年から1923年までの期間にわたって、日本の海軍の一員としての重要な任務を果たしました。

艦歴

鴻の正式な発注名は「第十六号百二十噸水雷艇」であり、1901年の12月18日に「鴻」と命名されました。その後、1902年の10月31日に水雷艇へ編入され、等級は一等となりました。さらに、1903年の6月14日には川崎造船所で起工し、1904年の2月29日に進水、同年6月4日に正式に竣工しました。

日露戦争での活躍

日露戦争では、鴻は旅順口攻撃に参加し、その後の日本海海戦では第十九艇隊に所属し、夜間戦闘に従事しました。この戦争での役割は、鴻の歴史の中でも特に重要な部分を占めています。戦争終結後は、海軍の運用の一環として様々な任務に従事し続けました。

除籍とその後

鴻は、1923年の12月15日に正式に除籍され、その同日に雑役船として編入されました。目的は主に曳船や交通船としての役割を果たすことであり、海軍水雷学校に所属しました。その後も様々な任務に従事していましたが、1926年の9月15日に廃船となり、同年の10月29日に売却されました。

艦長

鴻の艦長には、大尉の小島常次郎が1923年の6月30日から9月1日まで在任し、次いで猪瀬正盛が9月1日から艦長を務めました。彼らは艦艇の指揮を取り、任務を全うしました。

参考文献

艦艇の詳細や歴史については、様々な資料が存在しています。国立国会図書館デジタルコレクションや海軍制度沿革がその一例です。また、著名な書籍には、片桐大自の『聯合艦隊軍艦銘銘伝』や、福井静夫の『日本駆逐艦物語』、堀元美による『駆逐艦 その技術的回顧』などがあります。

鴻はその活躍から、日本の海軍の歴史に名を刻む艦艇の一つとなりました。また、そのデザインや技術的な特性は、後の艦艇に大きな影響を与えることともなり、今もなお多くの研究者や愛好家がその足跡を追っています。

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