鴻上尚史のオールナイトニッポン

鴻上尚史のオールナイトニッポン

『鴻上尚史のオールナイトニッポン』は、劇作家・演出家の鴻上尚史がパーソナリティを務め、ニッポン放送の看板深夜番組『オールナイトニッポン』で放送されたラジオ番組です。1983年10月から1985年3月までは金曜2部（毎週金曜日深夜27:00〜29:00）、1987年10月から1989年3月までは金曜1部（毎週金曜日深夜25:00〜27:00）に放送されました。

番組概要

本名の「こうかみ」ではなく、あえて「こうがみ」と名乗っていた鴻上尚史。これは、ラジオという“声”や“音”が主体の媒体において、その響きから漢字を連想しやすいようにという配慮からでした。当時、小劇場ブームで注目を集めていたものの、一般にはまだ無名に近かった鴻上にとって、まずは多くのリスナーに認知されることが重要だったのです。

番組は、金曜2部時代から「バカバカしい事を大真面目にやってしまう」ことをモットーに、数々の話題を呼びました。日比谷公園でのジェンカ、パノラマエクスプレスを借り切っての生放送、コンビニエンスストア荒らし、「ドラゴンクエストIII」のエンディング曲「そして伝説へ…」の制作、「10回クイズ ちがうね!」、「究極の選択」など、リスナー参加型の企画を多数展開し、深夜ラジオの新たな可能性を切り開きました。

オープニングの「寝るなよ!」という鴻上の掛け声と、エンディングの「いい夢を見るんだよ」という優しい言葉は、番組の象徴的なフレーズでした。（1部になってからはエンディングフレーズが「泣かないように、負けないように、いい夢を見るんだよ」となりました。）

番組内では、いわゆる汚物ネタも多く、「やめてくれ〜」という効果音が頻繁に流されていました。この効果音は、『とんねるずのオールナイトニッポン』で「そして伝説へ…」がオンエアされた際、石橋貴明が曲の途中でOAをストップさせた時の発言を流用したものでした。

ノベルティグッズとして、「奇跡シール」（遠赤外線シール）や、リスナーの落書き作品をまとめた「ストリート・アート・ブック」が配布されました。

主な企画・コーナー

真夜中のジェンカ: ニッポン放送近くの日比谷公園で、放送終了後の午前6時から鴻上と一緒にジェンカを踊るという企画。多い時には200人ものリスナーが集まりました。
10回クイズ ちがうね: まず最初に単語を10回連呼させてから、簡単なクイズを出題する企画。正解に類似した語感の誤答を誘い、間違えたリスナーに「ち〜が〜う〜ねっ！」と突っ込むのがお約束でした。
どっちを選ぶ 究極の選択: 「カレー味のうんことうんこ味のカレー」など、究極の選択肢を提示するコーナー。リスナーの倫理観や価値観を揺さぶる、刺激的な企画でした。
Jrからの手紙: 二世芸能人がブームだった時代に、リスナーが有名人のジュニアになりきってネタを投稿するコーナー。鏡五郎の息子が父親をネタに投稿したことがきっかけで、CDデビューを果たすという展開もありました。

番組の終焉とその後

1989年3月3日深夜の放送で、番組が3月をもって終了することが発表されました。最終回では、ウッチャンナンチャンがゲスト出演し、リスナーへの感謝の言葉とともに幕を閉じました。

『鴻上尚史のオールナイトニッポン』は、深夜ラジオの歴史に大きな足跡を残しました。鴻上の斬新な企画と、リスナーとの熱い交流は、多くの人々の記憶に刻まれています。番組終了後も、鴻上は様々なメディアで活躍し、その才能を発揮し続けています。

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