鵜飼玉川

鵜飼玉川（うかい ぎょくせん）

鵜飼玉川は、1807年に常陸府中藩士の家に生まれ、本名を遠藤幾之助または三二（三次）と称しました。彼は日本初の商業写真家とされ、その足跡は幕末から明治にかけての写真史において重要な位置を占めています。

経歴の始まり

玉川は、若い頃から写真に興味を持ち、横浜でアメリカ人オリン・フリーマンに指導を受けながら写真術を習得しました。彼はその後、江戸薬研堀に「影真堂」という写真館を開業し、商業写真の基盤を築くことになります。彼の開業は1860年代のことであり、同時期に行われた他の写真館の開業に先んじるものでした。

重要な記録と活動

玉川の商業的成功は、彼が1861年に松平春嶽の依頼で横井小楠の肖像写真を撮影したことにも表れています。また、1861年の文久元年には「大江戸当盛鼻競・初編」にも名前が掲載され、彼の名声が広がったことが窺えます。特に彼は、写真の商業化に大きく寄与し、その活動は後の写真家たちにも影響を与えました。

弟子の中には、明治天皇に写真を進講し、日本初の写真誌の創刊にも関与した深澤要橘がいます。彼の姿勢と技術は、多くの後進に受け継がれ、彼自身も日本の写真文化の発展に貢献しました。

古美術鑑定と晩年

1873年には正倉院宝物調査に参加し、その後は古美術の鑑定士としての活動に移ります。彼の活動は単に写真に留まらず、多彩な分野にわたったことがわかります。晩年には東京の谷中で自らが撮影した作品を埋め込み、そこに写真塚を築きました。これは1960年代と2000年代に調査されたことがあります。

死去と評価

1887年5月12日、玉川は81歳でこの世を去りました。彼の功績は、幕末・明治期における日本の写真文化において重要であり、商業写真の先駆者としての役割は多くの後輩たちによって受け継がれています。彼の写真や活動は、今でも研究され、評価され続けていることからも、その影響力は衰えることがありません。

彼の業績は多くの文献に記録され、写真史の中でも特に注目されています。彼の名前は、日本の写真界において永遠に刻まれることでしょう。

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