鶴屋南北

鶴屋南北とは

鶴屋南北（つるや なんぼく）は、歌舞伎の役者および作者の名跡で、歌舞伎の世界で重要な役割を果たしてきました。この名跡は初代から五代目まで存在し、それぞれが異なる才能と影響力を持っています。家系は代々、道化役や狂言作者として知られています。

初代 鶴屋南北

初代鶴屋南北は、生年は不明ですが1736年に亡くなりました。元禄10年頃から享保20年頃にかけて活躍した彼は、旅芝居から身を起こし、大芝居の場面で定評を得ました。また、道外方や頭取の役を務めるなど、その地位も確立しました。彼の演技は多くの人々に感銘を与え、名跡の礎を築きました。彼はのちに「初代南北孫太郎」としても知られています。

二代目 鶴屋南北

二代目鶴屋南北は初代の息子で、1701年生まれで没年は不詳です。彼もまた旅芝居の伝統を受け継ぎ、正徳5年頃から宝暦8年頃にかけて活躍しました。彼の演技スタイルは父からの影響を受けており、歌舞伎の中での存在感を示しました。二代目も「二代目南北孫太郎」という名で知られます。

三代目 鶴屋南北

三代目の鶴屋南北は、その出自についての情報は不明ですが、生年は不詳で1787年頃まで活躍していました。元文元年頃から天明末年にかけての時期に活動し、名跡を引き継ぎました。彼は、先代のスタイルを継承しつつも独自の色を出した演技で知られています。また、彼も「三代目南北孫太郎」として名をはせました。

四代目 鶴屋南北

四代目は三代目の女婿で、1755年から1829年まで生きました。この世代の役者は「大南北」と呼ばれることもあり一般的に「鶴屋南北」または単に「南北」と言えば彼を指すことが多いです。彼は櫻田兵蔵、澤兵蔵を経て、初代勝俵蔵を名乗り、最終的に四代目としての地位を築きました。また、作家活動も行っており、合巻執筆時のペンネームとして「姥尉輔」を使用しました。

五代目 鶴屋南北

五代目は四代目の外孫であり、門人としても知られ、1796年から1852年まで生きました。彼は四代目の子である二代目勝俵蔵の養子となり、三代目尾上菊五郎に仕えて旧作の手直しに尽力しました。この世代から、多くの有望な弟子が誕生しました。特に三代目瀬川如皐や二代目河竹新七（黙阿彌）などがその名を挙げています。また、五代目も「孫太郎南北」として呼ばれ、歌舞伎界での地位を確立しました。

これらの南北たちの影響と功績は、現在の歌舞伎文化にも大きな影響を与えています。彼らの遺産は、後の世に受け継がれ、歌舞伎の歴史に名を刻んでいます。

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