鶴澤燕三

鶴澤 燕三：文楽義太夫節の名跡

概要

鶴澤燕三（つるざわ えんざ）は、江戸時代後期から続く文楽義太夫節における三味線方の名跡です。この名跡は、代々にわたり一流の三味線奏者が襲名し、伝統文化の継承に寄与してきました。現在の当代は6代目となり、数々の功績を残しています。

初代から5代目までの歴史

初代（？ - 1869年）

初代鶴澤燕三は、初代鶴澤清七の門下から1828年に燕三を名乗ることでその名を知られるようになりました。晩年には鶴澤燕翁という名前で活動を始めました。

2代目（？ - 1893年8月19日）

2代目鶴澤燕三は初代の弟子で、1867年にその名を襲名しました。彼は文楽における重要な作品の演奏を手掛け、その技術は高く評価されました。

3代目

3代目の鶴澤燕三については、詳細な経歴は不明ですが、この名跡は代々伝えられ、文化の一環として確固たる地位を築いてきました。

4代目（1865年12月12日 - ？）

4代目は三河国出身で、本名は山田忠五郎です。1881年に3代目に弟子入りし、その後1910年に4代目燕三を襲名しました。

5代目（1914年1月5日 - 2001年12月2日）

5代目は大阪市で生まれ、家業は飴玉の製造でした。両親の影響で文楽に興味を持ち、1925年に6代目鶴澤才治の門下に入学し、以降の厳しい修行を経て1932年には初舞台を踏みます。彼は長いキャリアの中で多くの賞を受賞し、重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されました。また、代表作「椿説弓張月」として名を残しています。

6代目の登場

6代目（1959年1月30日 - ）

6代目は1977年に国立劇場文楽第4期研修生として文楽の道を進み、72年に5代目燕三に弟子入りしました。1979年の初舞台から、着実に自身の地位を築き上げ、2006年には6代目鶴澤燕三を襲名しました。彼もまた多くの賞を受賞し、文楽界での活動を活発に行っています。2021年には紫綬褒章を受章するなど、現代の文楽における重要な存在となっています。

結論

鶴澤燕三の名跡は、代々にわたる卓越した三味線奏者たちによって受け継がれてきました。彼らは文楽という文化を支え、発展させるために日々努力を重ねてきたのです。これからも、この名跡は文楽の歴史の中で重要な位置を占め続けることでしょう。

もう一度検索