鷲尾金弥

鷲尾 金弥

鷲尾 金弥（わしお きんや）は、1936年に生まれた日本の著名な園芸プロデューサーであり、ランドスケープの専門家です。都市および地方計画分野における技術士建設部門の資格も有しており、その専門知識と経験は多岐にわたります。

生い立ちとキャリアの出発点

鷲尾氏は1959年に大阪府立大学農学部園芸学科を卒業し、翌1960年には同大学の助手として研究者としてのキャリアをスタートさせました。大学での勤務を通じて、園芸学に関する深い学識と実践的な視点を養いました。

国際的な活動と独立

1974年、鷲尾氏は活躍の場を海外に求め、アメリカ合衆国へ渡ります。現地でWashioアソシエイツ有限会社を設立し、国際的な視点での業務経験を積みました。約6年間の滞在の後、1980年に日本へ帰国。帰国後は荒木造園設計事務所の取締役企画部長に就任し、再び日本の造園・緑地業界で重要な役割を担いました。

1990年、長年の経験と実績を基に、自身の事務所である鷲尾アソシエイツを設立し、独立を果たしました。この独立は、彼のキャリアにおいて大きな転換点となります。

国際博覧会での貢献

独立と同年の1990年、大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」（通称：花博）では、主要な役割であるプロデューサーとして企画・運営に深く関わりました。この大規模なイベントでの成功は、彼の園芸プロデュース能力を広く知らしめることとなりました。また、花博の記録集である『国際花と緑の博覧会 花博植栽管理記録集成』の作成においては、代表として編纂を主導しています。

その後も国際的な舞台での活躍は続き、オランダで開催された国際園芸博覧会「フロリアート92」や、ドイツの国際庭園博覧会「IGA93」では、日本政府（農林水産省）の公式出展における総合プロデューサーとして采配を振るいました。これらの国際博覧会を通じて、日本の園芸文化や技術を世界に紹介する上で重要な役割を果たしました。

その他の主なプロジェクトと受賞

博覧会以外でも、鷲尾氏は数多くの緑地・造園プロジェクトを手がけています。1996年には、鹿児島県の「フラワーパークかごしま」において総合プロデューサーを務め、その開園に貢献しました。

1995年には、さらなる事業展開として株式会社ウィンを設立しています。

長年の功績が認められ、2001年には第23回日本公園緑地協会北村賞を受賞しています。この賞は、公園緑地の発展に特に貢献した個人に贈られる栄誉ある賞であり、彼のキャリアにおける重要な評価となりました。

代表作と著書

彼の代表的な仕事としては、ワシオアソシエイツ名義で手がけた兵庫県の「播磨科学公園都市光都21／3期」や、長野県小布施町にある「フローラルガーデンおぶせ花壇」設計などが挙げられます。

その知識や経験は著書としても結実しており、共著として『ランドスケープデザイン 1: 森の生態と花修景』（京都造形芸術大学編、角川書店、1998年）、編著として『花の造園 : 都市空間のフロリスケープ』（川上幸男・鷲尾金弥編著、経済調査会、1996年）を上梓しています。

これらの活動を通じて、鷲尾金弥氏は日本の園芸・ランドスケープ分野の発展に多大な貢献をしており、その業績は広く認識されています。

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