鹿の王 ユナと約束の旅

『鹿の王 ユナと約束の旅』

概要

『鹿の王 ユナと約束の旅』は、上橋菜穂子が手掛けたファンタジー小説『鹿の王』を原作にしたアニメーション映画です。この作品は、2022年2月4日に劇場公開され、監督には安藤雅司と宮地昌幸が名を連ねています。制作はProduction I.Gが行い、配給は東宝です。また、映画のキャッチコピーは「それでも、生きていく」「運命に抗え。未来を変えろ。」です。

本作の背景

本作は、2015年度の本屋大賞と日本医療小説大賞を受賞した上橋菜穂子の人気作が原作で、シリーズの累計発行部数は250万部を超えています。ストーリーは、強大な帝国に支配された世界で、謎の病に立ち向かう血の繋がらない父と娘の旅を描いた医療ファンタジーです。

この映画において、監督の安藤雅司はスタジオジブリの名作に数多く携わったアニメーターであり、彼にとっては初の監督作品です。共同監督の宮地昌幸も同じく優れた経歴を持つアニメーターです。脚本は岸本卓が担当しており、制作の技術は『攻殻機動隊』シリーズで知られるProduction I.Gが担っています。

あらすじ

物語は、かつて「独角」と呼ばれた最強の戦士団のリーダー、ヴァンの視点から始まります。彼はツオル帝国との戦いに敗れ、岩塩鉱で囚われの身となっています。ある日、岩塩鉱を襲った山犬の群れによって、彼は幼い少女ユナとともに命を救われます。山犬は黒狼熱（ミッツァル）という病を持っており、このウイルスを用いて帝国を弱体化させようと作戦を練るアカファ王の存在が背景にあります。

ツオル帝国の医術師ホッサルは、ヴァンの体内に抗体があることに気づき、彼を追跡します。一方、山犬の群れを操る能力者ケノイは、ヴァンに「犬の王」を継がせようと考え、ユナを誘拐させます。ヴァンはユナを救うため、火馬の郷へ向かい、ユナを実の娘のように思いながら隠れ住むことになります。

火馬の郷には、ツオル帝国に敗れた戦士オーファンらが集まっており、ツオル皇帝に反抗する計画を立てます。ホッサルも同行し、ヴァンの血からの血清作成に成功。しかし、ヴァンは「犬の王」を継ぐことを拒絶します。

物語のクライマックスでは、無意識に山犬を率いるユナが立ちはだかります。だが、ヴァンはユナを止め、犬の王の地位を自ら引き受ける決断を下します。結局、アカファ王の反乱が終息し、平和が戻りますが、成長したユナは山中で「鹿の王」を見つけるのでした。

登場人物

• - ヴァン: 声 - 堤真一

- 独角の最後の戦士で、強い意志を持つ。

• - ユナ: 声 - 木村日翠

- 身寄りのない少女で、ヴァンとの絆が物語の核を形成。

• - ホッサル: 声 - 竹内涼真

- 謎の病を追う医師で、重要な役割を果たす。

• - ケノイ: 声 - 西村知道

- 山犬を操る力を持つ、謎めいた存在。

制作と公開

2019年3月にアニメ映画化が発表され、2020年9月18日に公開予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で2021年に延期になりました。最終的に2022年の2月に公開され、完成披露試写会も話題を呼びました。作品の魅力は、父娘の深い絆と運命に立ち向かう力強さにあります。

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