鹿児島市交通局7500形電車

鹿児島市交通局7500形電車「ユートラムIII」

鹿児島市交通局が運行する7500形電車は、2017年3月30日から運行を開始した超低床路面電車です。愛称は「ユートラムIII」であり、そのデザインと機能性の高さから、鉄道友の会のローレル賞を受賞した実績も持っています。ここでは7500形電車の概要、特長、そして最近の事故について詳しくご紹介します。

概要

この電車は、老朽化した500形電車を置き換える目的で導入され、鹿児島市の「LRT整備計画」に基づいています。7500形は2両編成の連接車両で、アルナ車両が開発したリトルダンサータイプXをベースに製造されています。この新型車両は、定員が68名（うち座席は26座）と、初代のユートラムよりも10名増加し、利便性が向上しています。

この電車のサイズは、長さが14.4メートル、幅が2.44メートル、高さが3.75メートル、そして自重は18.5トンです。また、台車には新しく開発されたSS15台車が使用されており、世界的に見ても最小クラスのモーターを搭載しています。このため、100％超低床車として運行されることが可能となり、従来の車両と同じWN駆動を採用しています。

室内と操作性

7500形の運転台は右手操作式のワンハンドルマスコンを採用しており、運転士にとって使い勝手がよくなっています。加えて、室内は全席ロングシートで構成されているため、乗客には快適な移動空間を提供しています。

2次車と運用

この電車の後続編成として、2019年1月に7503と7504が新たに登場しました。この2編成は、窓の構造が押し出し式から引き違い式に変更されるなど、細かな点で改良がなされています。そして、7500形は1000形および7000形と共に固定運用となり、各停留所の時刻表に掲載され、さらには公式ウェブサイトでも運行情報を確認できます。

ラッピングとイベント

2022年には7502において、人気キャラクター「チャギントン」のウィルソンとブルースターをテーマにしたラッピングが施され、2月25日から運行を開始しました。これにより、観光客や地域住民からの注目度がさらに向上しました。

事故の概要

しかし、7500形電車には事故も発生しています。2024年8月3日の午後2時6分頃、鹿児島駅前の電停で、7502A編成が脱線するという事故が発生しました。この事故は、谷山から鹿児島駅前行きの電車が別の線路に入ってしまったことが原因とされています。これは運行に影響を及ぼす事象であり、今後の安全対策が求められます。

おわりに

このように、鹿児島市交通局7500形電車「ユートラムIII」は、その先進的なデザインと技術で革新をさせると同時に、運行中の安全性も重要であることを再認識させる出来事がありました。今後も地域の交通インフラとして、さらに多くの人々に利用され続けることが期待されます。

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