鹿児島市電上町線

上町線の歴史と概要

上町線（かんまちせん）は、鹿児島市交通局が運営していた、かつて存在した路面電車の一つです。1985年9月30日に廃止されるまで、多くの市民に利用されていました。この路線は、鹿児島市内での輸送を担う重要な役割を果たしていました。

路線データ

上町線は、営業距離が2.2キロメートルの短い路線でした。軌間は1435mmで、全線が複線区間として整備され、電化もされていました。開業時には2系統で運行されており、主要な電停には「郡元」「西鹿児島駅前」「高見馬場」「市役所前」などがありました。

歴史

上町線の歴史は1927年にさかのぼります。この年の6月27日、鹿児島電気軌道が「朝日通 - 七高前間」を開業し、その後も順次区間を延長していきました。具体的には、7月10日には「七高前 - 長田町」、10月21日には「長田町 - 竪馬場」が開業されました。1928年には鹿児島市がこの路線を買収し、市の交通局が運営を引き継ぎました。

その後、1929年には「竪馬場 - 柳町間」が開業され、1935年から1939年には「公会堂前」と「市役所前」の名称変更が繰り返され、時代の変遷を反映しています。1945年には第二次世界大戦により運行が休止され、その後、1948年12月には一部区間が再開されましたが、当時の混乱は続きました。

1951年には「柳町 - 春日町間」が新たに開業し、1961年4月には全線が開業しました。しかし、1974年には大学病院前が「私学校跡」に改称され、1985年にはついにすべての運行が終了しました。

電停と運行の変遷

上町線の電停は、開業当初の「朝日通」から始まり、「郵便局前」「公会堂前」「七高前」などが位置していました。また、戦災や運営方針の変化により、いくつかの電停は廃止されたり名称が変更されたりしました。例えば、1943年に「郵便局前」と「公会堂前」が廃止され、1948年には「市役所前」を中心に路線が変更されました。

廃止時には、「市役所前」「私学校跡」「清水町」などの電停が残っており、運行形態も大きく変化していました。上町線の終点である清水町は、特に利便性の高い場所として多くの人に利用されていました。

現在の景観と影響

現在、上町線が通っていた区間はほとんどが一般道路となっており、路線跡は道路として利用されています。特に岩崎谷周辺の専用軌道は今も残り、当時の面影をわずかに留めています。また、廃止後にも道路交通の発展に貢献し、多くの市民に親しまれていました。

さらには、上町線の廃止以降も、鹿児島市内では新たな交通手段が整備され、市の交通網は進化を続けています。このように、上町線は鹿児島市の交通史に多大な影響を与えた路線として記憶されています。

まとめ

上町線は鹿児島市の発展と共に歩んできた重要な路線でした。歴史的な背景から、現在の交通網に至るまでの流れを見れば、多くの人々の生活や移動に寄与してきたことが分かります。その運行形態や廃止に至るまでの歴史は、今後も交通史研究や地域の歴史において重要な資源となることでしょう。

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