鹿児島県立若駒学園

鹿児島県立若駒学園について

鹿児島県立若駒学園は、鹿児島県霧島市に位置する児童自立支援施設です。この施設は、さまざまな理由から家庭や学校での生活が困難になった児童（18歳未満）や、家庭裁判所から保護処分を言い渡された児童を受け入れています。若駒学園では、児童一人ひとりの状況に合わせた丁寧な指導を行い、彼らが健全な人格を形成し、社会的に自立できるよう支援しています。

施設概要

所在地

鹿児島県霧島市国分上之段に位置し、JR日豊本線国分駅から徒歩約10分の場所にあります。公共交通機関を利用する場合は、国分駅入口から牧之原・志布志方面行きのバスに乗車し、「若駒学園前」バス停で下車すると、目の前に施設があります。また、東九州自動車道国分インターチェンジからは車で約10分です。

沿革

若駒学園の歴史は古く、1909年に私立錦江学院が代用感化院に指定されたことに始まります。その後、1918年には県立感化院牧ノ原学校として現在の地に移転し、定員20名でスタートしました。

時代とともに施設の名称や役割は変化し、1934年には少年教護院牧ノ原学校、1948年には児童福祉施設教護院牧ノ原学校となりました。1964年には牧ノ原学園に名称が変更され、その後も体育館やプール、家族ふれあい館などの施設が整備されました。

1998年には児童福祉法の一部改正により、教護院から児童自立支援施設へと改称されました。そして、2008年4月には義務教育が導入され、施設内に霧島市立塚脇小学校若駒分教室と霧島市立牧之原中学校若駒分校が開校しました。この時、鹿児島県立牧ノ原学園から若駒学園へと名称が変更され、中舎制（男子1寮、女子1寮、定員40名）に移行しました。

児童の処遇方針

若駒学園では、職員と児童が24時間一緒に生活をしながら、生活指導、学習指導、作業指導の3つの分野を中心に指導を行っています。

• - 生活指導: 社会復帰を目標に、日々の生活全般や個々の課題について指導を行います。対人関係や規律を守り、自分の役割を責任を持って果たせるように指導するとともに、個々の課題を整理し、解決策を考えられるよう支援します。
• - 学習指導: 学園内に設置された小中学校の分教室で義務教育を受けることができます。
• - 作業指導: 農作業や園芸作業などを体験することで、働くことへの興味や喜びを学びます。また、進学を希望する児童には、近隣の店舗などで職業実習を行い、自立に必要な知識や社会性を身につけられるようサポートしています。
• - 心理指導: 日常的な行動観察に加え、心理検査などを実施し、児童の多面的な状況を把握することで、より適切な支援に繋げています。

児童への支援

定期的な児童相談所への通所、短期・長期の社会適応訓練、交流学習の実施、要保護児童対策地域協議会への参加など、多角的な支援を行っています。

事件について

1987年には、同園の職員による収容児童への虐待致死事件が発生しました。この事件は社会に大きな衝撃を与え、児童福祉施設における職員のあり方について深く考えさせられる出来事となりました。

年間行事

若駒学園では、年間を通じて様々な行事が開催されます。春には生徒会選挙、茶摘み、芋植え、花文字手入れボランティア、田植えが行われ、夏にはプール開き、児童自立支援施設球技大会、九州少年野球大会が開催されます。秋には運動会、芋掘り、九州少年バドミントン大会、稲刈り、生徒会選挙、学園祭が行われ、冬にはクリスマス会、餅つき大会、持久走大会、修学旅行が予定されています。その他、長期社会適応訓練や健康診断、歯科検診、ボランティア活動、検定、避難訓練、関係機関との連絡会なども実施しています。

外部リンク

若駒学園（旧牧ノ原学園） - 鹿児島県

若駒学園は、児童たちが社会で自立できるよう、職員一同、日々尽力しています。

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