鹿屯島

鹿屯島の歴史と背景

鹿屯島（ろくとんとう）は、朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦沿海地方の間を流れる豆満江の三角州に位置する歴史的な地点です。面積は32平方キロメートルで、朝鮮王朝の時代にはその領土に含まれていましたが、近代にはロシアの支配下に置かれました。

15世紀までの鹿屯島

鹿屯島は15世紀において李氏朝鮮の一部として知られており、特に宣祖20年（1587年）からの3年間には、有名な李舜臣将軍がこの地に駐屯しました。彼の鎮守により、鹿屯島は戦略的な要所として重要な役割を果たしていました。李舜臣は、女真族との戦闘を交えながら、島の防衛に努めました。さらに、金正浩の「大東輿地図」には、鹿屯島が記載されており、当時の地理的認識の一端を担っていました。

地形の変化と島の運命

豆満江の北部からの分流が堆積することで、島の周囲の地形は時間と共に変わりました。これにより、鹿屯島は時折沿海地方の本土と接することがありましたが、行政上は依然として朝鮮側に属していました。
このような地形の変動は、地域住民の生活にも影響を与えました。

ロシアへの引き渡しとその後の影響

1860年、清朝は北京条約に基づいて鹿屯島をロシア帝国に引き渡しました。この決定に対して、朝鮮は清朝に対し「その権限は無い」と抗議し、鹿屯島をめぐる国境問題が始まりました。この時の議論は、その後の国際関係においても重要な意味を持つこととなります。

この引き渡し後も鹿屯島には朝鮮人が住み続け、高宗の使者による調査では、113戸・822名の朝鮮人が生活していたことが明らかになりました。しかし、1937年にはソビエト連邦によって朝鮮人が中央アジアへの強制移住を命じられ、多くの住民がその地を離れました。

現代の国境と鹿屯島の扱い

1990年、ソ連と北朝鮮との間で国境線の画定が行われ、鹿屯島の一部はロシア側に残されることとなりました。これに対し、韓国の研究者やメディアは鹿屯島の返還を求める声を上げ、当時の盧泰愚大統領に対して嘆願書を提出しました。また、エリツィン大統領へのアプローチも行われ、この問題は現在まで続く国境紛争の一部となっています。

鹿屯島は、過去の歴史と現代の国際問題が交錯する特異な地域であり、今後どのようにその扱いが変わるのかが注目されます。

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