豆満江

豆満江に関する詳しい説明

豆満江（トマンコウ、朝鮮語: 두만강、中国語: 图们江）は、中朝国境に位置する国際河川で、全長約500キロメートルです。白頭山に源を発し、中国、北朝鮮、ロシアの国境を流れ、日本海に注いでいます。この川は、主に中国吉林省延辺朝鮮族自治州と北朝鮮咸鏡北道との境界を成しており、歴史的には朝鮮半島と中国を分ける重要な役割を果たしてきました。

起源と名称

豆満江という名前は、満州語の「トゥメン」に由来しており、「万」を意味します。この川は歴史的に北朝鮮や韓国で同じように呼ばれており、特に日本語においては「トマンコウ」として知られています。中国では「図們江」と呼ばれ、その表記は朝鮮語とは異なりますが、同じ地名を指しています。

歴史的背景

李氏朝鮮時代にあたる世宗の時代には、女真族の侵入に備えるために豆満江流域の開発が進められ、これにより西北四郡が設置されました。このことから、豆満江は歴史的に国境線として機能し続けてきました。現在も北朝鮮からの難民がこの川を越えて中国へ逃れることが知られており、そのために朝鮮人民軍による厳しい監視体制が敷かれています。

開発計画と国境の変遷

1990年代から、中国と北朝鮮は豆満江沿いの開発計画を進め、国連開発計画（UNDP）も関与しています。中国は琿春市を国境開放都市として指定し、経済特区の設立を進める一方で、北朝鮮側でも羅津・先鋒（羅先特別市）の開発が進められています。この地域では、北朝鮮の鉄道とロシアのシベリア[[鉄道]]を結ぶ「豆満江駅」が存在し、かつては列車の切り替えのために利用されていましたが、現在は直通運行が行われています。

中国と出海権問題

豆満江の出海権を巡る問題は、長い歴史を持っています。1860年には、清がロシアに一部の土地を割譲した際、日本海への出海権を失い、1886年には琿春議定書により図們江河口までの出海権を獲得しました。このように、歴史的な交渉を経て出海権の問題は複雑化し、1990年代には再び航路が開通するなどの動きが見られました。特に1990年には、中国の船が52年ぶりに日本海に出る権利を北朝鮮から認められ、これ以降の経済的な繋がりが強まる契機となりました。

結語

豆満江は単なる河川ではなく、地政学的な意味合いを持つ重要な国際水路としての役割も果たしています。この地域の発展は周辺国の経済や外交にも大きな影響を与えるでしょう。今後の動向に注目が集まる豆満江が、地域の発展に寄与すると期待されています。

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