鹿島軌道

鹿島軌道の概要

鹿島軌道（かしまきどう）は、1924年から1930年までの間、茨城県の鉾田町と大貫町の間を結ぶ軌道路線を運営していた会社です。この鉄道路線は、地域の発展を目的として計画され、特に鹿島郡の北部と南部を結ぶ重要な輸送手段として期待されていました。

設立の背景

1921年6月、鉾田自動車軌道と鹿島自動車軌道が合同し、鹿島軌道が設立されました。これにより、鉾田から南へ、鹿島郡内を通って鹿島町に至る計画が具体化しました。本社は鉾田町に設置され、ガソリン動力を用いた列車が運行されることになりました。

実際の運行は、鉾田から北へ向かう区間のみが開業され、大貫間までの約17.5kmが整備されました。しかし、鉾田以南のルートは開業されることなく、地域の中心市街地から遠く離れた駅の設置が、利便性の低下につながりました。バスによるアクセス改善策が取られましたが、効果は薄く、営業成績は振るわなかったのです。

経営の苦境

開業当初から経営は厳しく、経営支援として水浜電車が関与し、連携輸送が試みられました。水戸と鉾田を結ぶ一体輸送が行われたものの、経営の改善には至りませんでした。1930年には全線が廃止され、その後はバス事業の運営が水浜電車に譲渡されました。代替バスは2009年まで運行されていました。

路線詳細

廃止当時、鹿島軌道の路線は全長17.5km、762mmの軌間で構成されており、11の駅が存在しました。早くも1926年には、1日あたりの旅客列車が10往復運行されていましたが、利便性の不足から利用者は限られていました。駅間の接続も他の鉄道路線とはほとんどなく、アクセスしづらさが影響していました。

歴史の中の重要な出来事

鹿島軌道の歴史には、1921年に特許状が下付され、1924年5月には鉾田から子生間が開業されました。1926年には全線の免許を取得し、同年6月には子生から大貫間も開業されました。しかし、1930年にはついに全線が廃止されてしまいました。

車両について

鹿島軌道は、丸山式自働客車などの車両を使用していました。ガソリン動車としては6両があり、さらにホイットコム製のガソリン機関車や客車、貨車も所有していました。廃止後、一部の車両は仙台鉄道に譲渡されたと言われています。

結論

鹿島軌道は、短命ながらも地域の交通手段としての役割を果たしました。経営の厳しさや利便性の問題が影を落とし、わずか数年でその歴史に幕を下ろしましたが、茨城県内の鉄道史の中での重要な一幕として記憶されています。

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