鹿砦社

鹿砦社について

概要

鹿砦社（ろくさいしゃ）は、兵庫県西宮市に本社を置く日本の出版社です。1969年に東京都千代田区で設立され、1972年に株式会社化されました。社名の「鹿砦」は、ゲリラ戦時に使用される逆茂木を指し、マルクスの著作にも登場する言葉です。

沿革

設立当初は新左翼に関係する書籍を発行していましたが、1980年代以降は「言論の自由、表現の自由の限界への挑戦」をモットーに、特にパチンコ業界や相撲業界に関する暴露本を多く刊行しました。そうした出版物には、著名なタレントや団体に関する裏話が含まれ、ネットが普及する以前から注目を集める存在となりました。

鹿砦社はその後、ジャニーズや宝塚などのタレントに関する情報を載せることでも知られ、プライバシー侵害として訴えられることもありました。特に、著名人の私生活に関する著作は大きな話題となりました。2005年には社長の松岡利康が名誉毀損で逮捕される事態が起こり、鹿砦社は深刻な打撃を受けました。逮捕の背景には、パチンコ業界への中傷があり、鹿砦社は業務停止に追い込まれましたが、一部の刊行物は継続されました。

出版物

鹿砦社の主な定期刊行物には、『紙の爆弾』や『季節』（旧名：NO NUKE voice）、『J-GENERATION（旧：Jマニア）』などがあります。また、出版された書籍としては、『鹿砦社LIBRARY』シリーズや田中宏和の著作が挙げられます。

社会的影響

鹿砦社は反原発の立場を持っており、『NO NUKES voice』を刊行するなど、社会的なメッセージを発信しています。しかし、反原発運動を巡る立場の変化や他団体との衝突もあり、議論の的となりました。例えば、反原連との対立や、しばき隊に対する批判的な姿勢が一部の支持者から反発を受けることもありました。

法的トラブル

松岡社長に対する名誉毀損での逮捕は、出版社が刑事訴訟の対象となる例が少ない中での異例の事態でした。最終的に有罪判決を受けた松岡は、その後もいくつかの訴訟に巻き込まれることになります。特に、しばき隊リンチ事件に関する一連の裁判では、鹿砦社と様々な立場の個人との間で訴訟が繰り広げられました。

現在の状況

鹿砦社は、今なお独自のスタンスを持ち続け、ラディカルなスキャンダルを追い求める月刊誌『紙の爆弾』を通じて、表現の自由に関する議論を促進し続けています。文学的な側面だけでなく、現代社会における言論の自由に対する姿勢や挑戦も引き続き注目されています。

社会的な背景とともに、鹿砦社の存在は出版社としての懐の深さや、表現活動の重要性を考える上で欠かせないものとなっています。これからも、言論の自由を守るための挑戦は続くでしょう。

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