麟祥院

璘祥院（りんしょういん）

麟祥院は東京都文京区湯島に所在する、臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は天沢山で、徳川家光の乳母として知られる春日局の菩提寺として設立されました。また、周囲にはカラタチの生垣があり、「からたち寺」とも称されます。実際、同じ名前を持つ京都の妙心寺内にある塔頭も春日局のために建立されたもので、こちらは1634年に徳川家光によって創建されました。

歴史

麟祥院の創建は1624年、春日局が隠棲するための場所として始まりました。寺院には約1万坪の境内と300石の寺領が与えられ、徳川秀忠の元から御朱印状も拝領しました。これにより殿堂が建設されました。さらに1630年には、野州宇都宮にある興禅寺の渭川和尚をこの寺の住職として迎え、開山となりました。最初は報恩山天沢寺として知られていましたが、春日局の法号を受けて「天澤山麟祥院」という名に改められました。

1887年には、井上円了がこの寺の一棟を借りて哲学館（後の東洋大学）を設立しました。この出来事を記念して、「東洋大学発祥之地」の碑が1987年に境内に建立されました。また、明治時代には麟祥院に多くの学校が併設され、臨済大教校もあったことから、多くの名僧たちが集まり学んでいました。

毎年10月14日には、春日局の法要である春日忌が行われています。また、関東大震災で亡くなった中国人留学生を慰霊する碑も存在しています。

文化財

麟祥院には重要な文化財が数多く存在しています。文京区により指定された有形文化財としては、十六羅漢図、春日局像、麟祥院文書や春日局書簡があり、また文京区指定の史跡として春日局の墓も含まれています。これらの文化財は、麟祥院が持つ豊かな歴史を物語っています。

交通アクセス

麟祥院へは、東京メトロ丸ノ内線および都営地下鉄大江戸線の本郷三丁目駅から徒歩約5分、また東京メトロ千代田線の湯島駅から徒歩約7分でアクセスできます。訪れる際には、周辺の交通機関を利用すると便利です。

このように麟祥院は、歴史的背景と文化的価値に溢れた寺院であり、春日局にゆかりのある場所として、多くの人々に親しまれています。参拝時には、その静けさと歴史を感じながら、さまざまな文化財にも触れてみてはいかがでしょうか。

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