東京メトロ丸ノ内線

丸ノ内線（まるのうちせん）

概要

丸ノ内線は、東京地下鉄（東京メトロ）が運営する鉄道路線で、東京都豊島区の池袋駅から杉並区の荻窪駅までの本線と、さらには中野区の中野坂上駅から同じく杉並区の方南町駅までを結ぶ分岐線、通称「方南町支線」で構成されています。丸ノ内線は、4号線丸ノ内線及び4号線丸ノ内線分岐線の名前で鉄道要覧に記載されています。興味深いことに、新宿と荻窪を結ぶ路線は、1972年までは荻窪線と呼ばれていました。

路線名は、東京の中心部に位置する丸の内の地名に由来しています。1970年には住居表示制度が導入されて千代田区の「丸ノ内」に表記変更がなされましたが、地下鉄の表記はそのまま「丸ノ内線」とさせる特異な歴史があります。丸ノ内線のラインカラーはスカーレット（#f62e36、赤）で、本線の路線記号は'M'、分岐線は'Mb'とされています。

路線の特徴

この線は池袋駅から新宿駅を経由して荻窪駅まで、山手線の内側を「コ」の字形に走行します。特筆すべきは分岐線で、本線の中野坂上駅から派生し、方南町駅に至ります。中野車両基地もこの途中にあるため、入出庫運用も行われています。丸ノ内線は他の東京地下鉄の路線と異なり、銀座線とともに標準的な軌間を採用しており、第三軌条集電方式を採っています。これにより、駅や分岐器の前後にはデッドセクションが存在しますが、各車両には室内灯の消灯を防ぐための電動発電機（MG）が搭載されています。

また、この線は東京の地下鉄路線としては最後に第三軌条方式の路線として建設されたため、他路線との直通運転は行われていません。しかし、赤坂見附駅と国会議事堂前駅の間には銀座線との渡り線があり、点検や整備のために中野工場や中野検車区に回送される列車も通ります。過去には隅田川花火大会の臨時列車が運行されることもありましたが、物理的な制約により銀座線のトンネルには丸ノ内線の車両が入ることはできません。

地形と建設の特徴

丸ノ内線は都心部の複雑な地形を考慮し、茗荷谷 - 後楽園間や、御茶ノ水 - 淡路町間の神田川橋梁、さらには四ツ谷駅付近に地上走行区間が存在することが特徴的です。他の路線が公道の地下を通ることが多い中、丸ノ内線は私有地の地下を多く通過するのも特徴です。また、1995年に発生した地下鉄サリン事件の現場の一部でもあります。

路線データ

• - 営業距離: 本線（池袋 - 荻窪）24.2km（うち地上区間2.2km）、分岐線（中野坂上 - 方南町）3.2km
• - 軌間: 1,435mm
• - 駅数: 28駅
• - 電化: 全線（直流600V、第三軌条方式）
• - 最高速度: 本線75km/h、分岐線65km/h

歴史と沿革

丸ノ内線は1925年に東京都市計画で高速度交通機関として計画され、1941年に帝都高速度交通営団が設立されたことで本格的な建設が開始されました。長い工事を経て、1954年に池袋から御茶ノ水間が開業し、1959年には新宿から荻窪までが全通しました。

その後、数度の延伸や改修工事を経て、1962年には荻窪線を丸ノ内線に統合しました。最近では、2004年の営団地下鉄の民営化を経て、現在の東京メトロの一部となっています。

車両・運行形態

現在は主に2000系車両を使用しており、全線において自動運転装置が導入されています。運行本数は非常に多く、池袋駅から荻窪駅の直通運転が基本ですが、分岐線も含む様々な運行体制が整備されています。

丸ノ内線はその独自の歴史と地形の複雑さが相まって、東京都心部における重要な交通手段となっています。

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