麻布台ヒルズ森JPタワー

麻布台ヒルズ森JPタワー

麻布台ヒルズ森JPタワーは、東京都港区麻布台一丁目に位置する超高層ビルで、高さ325メートルを誇り、日本一高い建築物となっています。このビルは、日本初の300メートルを超える建物として、あべのハルカスを凌ぐスーパートールとして位置づけられています。64階の建物でありながら、展望台は設けられていない点が特徴です。

このタワーは、森ビルにより開発され、設計も彼らによるものです。施工は清水建設が担当し、外観デザインは著名な建築家シーザー・ペリが率いるペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツによって手掛けられています。ただし、シーザー・ペリは2019年に亡くなっており、彼の遺作としてこのタワーが完成しました。

歴史と再開発

この地には、1930年に建設された日本郵政グループの飯倉ビルが以前存在していましたが、再開発の一環として2018年に閉館し、2019年に解体されました。その跡地に新たに建設されたのが麻布台ヒルズ森JPタワーです。

ビル内部は多機能であり、商業施設や医療機関、インターナショナル・スクール（ブリティッシュ・スクール・イン・東京）、オフィス、さらには上層には高級住宅のアマンレジデンス東京（90戸）が入居しています。また、地下にはコージェネレーションシステムの導入も予定されています。2024年には、ドイツ銀行の日本支社もこのタワーに移転する予定です。

特異な建設規制と耐震性能

建設地は、もともと羽田空港の水平面規制の関係で300メートルを超える建物の建設が難しい地域であったため、特例として国土交通省から東京タワーの高さ（333メートル）を基準に規制が緩和されました。2018年からの建設が進められ、2023年6月に竣工し、11月には麻布台ヒルズ全体がオープンしました。

このタワーは耐震性能にも優れており、特級レベルの耐震設計を採用しています。具体的には、以下のような4つの装置が設置されています：

• - 座屈拘束ブレース：大地震時の振動エネルギーを効果的に吸収（1200基）。
• - オイルダンバー：揺れのエネルギーを吸収、制振効果を発揮（304基）。
• - 粘性体制震壁：地震や風揺れの際に建物の揺れを抑える（302基）。
• - アクティブマスダンパー：建物の揺れに対抗する方向に動かすことで居住性を改善（4基）。

これらの技術により、停電時や災害時にも対応可能で、帰宅困難者に向けた震災備蓄品や震災井戸が設けられています。

主要な施設

麻布台ヒルズ森JPタワー内の主な施設は以下の通りです：

• - 54-64F：アマンレジデンス 東京
• - 35-52F：オフィスフロア
• - B1-7F：ブリティッシュ・スクール・イン・東京 麻布台ヒルズキャンパス
• - 5F-6F：慶應義塾大学病院予防医療センター
• - 4F：麻布台ヒルズ郵便局

このように、麻布台ヒルズ森JPタワーは多彩な機能を有する建物として、東京都内における新しいランドマークとしての地位を確立しています。

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