麻布永坂町

麻布永坂町について

麻布永坂町（あざぶながさかちょう）は、東京都港区に位置し、麻布地区総合支所が管轄する地域の一つです。郵便番号は106-0043で、特徴的なのは住居表示が未実施である点です。この町は外苑東通りから古川の谷に向かう斜面にあり、飯倉片町交差点と地下鉄麻布十番駅の中間に位置しています。町の主要な部分は住宅地が占めており、多くの著名人もこの地に住まいを構えています。

歴史的背景

麻布永坂町の歴史は長く、1962年以降に範囲が縮小していく中で、住居表示に関する法律が施行されました。この法律により、港区内の多くの歴史ある町名が消えていったのですが、麻布永坂町とその隣町である麻布狸穴町は最後まで残ることができました。

この背景には、当時の住民たちの強い反対がありました。特に、麻布狸穴町の住民であった木内信胤氏が「歴史的な町名を守るべきだ」と訴え、脚本家の松山善三らと共に反対運動を展開しました。このような努力が実を結び麻布永坂町は現在でもその名を残しています。利便性が高く、閑静な住宅街としても知られるこの地域では、ブリヂストンの創業者・石橋正二郎や著名な蕎麦屋の主人が住居表示の実施に異議を唱えていたことも特筆に値します。

永坂の由来

町名の「永坂」は、麻布永坂町にある長い坂から来ています。この坂は港区内を貫通し、現在は東京都道415号高輪麻布線の一部として利用されています。美しい坂道として多くの人に親しまれていますが、首都高速道路の高架橋によってその景観は一部変更されています。

坂道の名称については、複数の説が存在しますが、その起源は不明です。ただし、正岡子規が永坂の景色を詠んだ句も残っていることから、文化的にも重要な位置を占めています。

現在の状況

麻布永坂町の世帯数や人口は、2019年9月1日現在で把握されています。また地域内にはスリランカ大使館や参議院副議長公邸などの重要な施設もあります。教育面では、地元の区立小中学校の学区に属し、子どもたちにとっても良好な教育環境を提供しています。

その豊かな歴史と現代的な利便性を兼ね備えた麻布永坂町は、今後も多くの人々に愛され続ける場所であることが期待されます。

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