麿の酩酊事件簿

麿の酩酊事件簿

『麿の酩酊事件簿』は、高田紫蘭の漫画を原作とし、高田崇史が小説化した作品です。ここでは、小説版『麿の酩酊事件簿』を中心に解説します。

あらすじ

舞台は鎌倉。旧家の第17代目当主である勧修寺文麿は、祖母から結婚を急かされる日々を送っています。しかし、彼には厳しい家訓が課せられており、結婚相手を見つけるのは至難の業です。

文麿は酒に非常に弱い体質ですが、ある一定量を超えて飲むと、まるで別人のように変貌します。そして、出会った美女たちが抱える様々な事件の謎を、たちどころに見破ってしまうのです。

しかし、酔いが覚めると、彼は事件を解決したこと自体を綺麗さっぱり忘れてしまいます。事件解決後に女性たちは引っ越したり留学したりと、文麿は毎回失恋するという、悲しいパターンを繰り返すのです。

登場人物

勧修寺 文麿（かしゅうじ ふみまろ）:
鎌倉の名家・勧修寺家の17代目当主。31歳。幼い頃に両親を亡くし、祖母のまつゑと執事の大原と暮らしています。ベンチャー企業のオーナーですが、経営にはほとんど関与せず、祖母からは毎日のように結婚を催促されています。

勧修寺 まつゑ（かしゅうじ まつえ）:
文麿の祖母。82歳。常に和服を美しく着こなし、身だしなみに気を配っています。若い頃は薙刀と合気道をたしなんでいました。

大原（おおはら）:
勧修寺家の執事。76歳。寡黙な性格で、18歳から勧修寺家に仕えています。勧修寺家の家訓を完全に暗記しています。

大原 七海（おおはら ななみ）:
文麿がバーで出会った、ハンサムでキザな男性。しかし、実は大原の孫娘であり、男装していました。

公武（きみたけ）:
勧修寺家の主治医。個人病院の院長を務めています。

勧修寺家家訓

勧修寺家には厳しい家訓が存在します。「見合い厳禁」「独力発掘」「自力本願」「家族全員の承諾」など7カ条の前文と、86カ条にわたる詳細な家訓があり、妻となる女性に求められる知性、品性、容姿など、多くの条件が細かく定められています。執事の大原は、この膨大な家訓をすべて暗記しているというから驚きです。

書籍情報

漫画

麿の酩酊事件簿
2002年6月発行 ISBN 406334553X
2002年11月発行 ISBN 4063346218

小説

麿の酩酊事件簿 花に舞
2003年7月（講談社ノベルス ISBN 4061823280）
2006年7月（講談社文庫 ISBN 406275455X）

麿の酩酊事件簿 月に酔
2003年11月（講談社ノベルス ISBN 406182340X）
2006年11月（講談社文庫 ISBN 4062755599）

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