黄志芳

黄志芳（ファン・ジーファン）

黄志芳（こう しほう、ファン・ジーファン、ジェームズ・ファン、1958年9月14日 - ）は、台湾の政治家であり、元外交部長です。現在は中華民国対外貿易発展協会（TAITRA）の董事長を務め、台湾の貿易振興に力を注いでいます。

略歴

黄志芳は、台南第一高級中学から台湾大学に進学し、当初は農学を専攻していました。しかし、2年生の時に政治学部に転部し、国際関係学科で学びました。

大学卒業後、外交部に入り、駐米代表処国会組組長、北美司第一科科長、同専門委員などを歴任しました。1999年からは行政院大陸委員会に勤務し、連絡所副所長、専門委員、研究委員として、APEC閣僚会議に何度も参加しました。

2002年、蔡英文の推薦により総統府公共事務室主任に就任。2004年には総統府副秘書長に昇進し、より重要な外交任務を担当することになりました。当時の陳水扁総統から高く評価され、外交部と大陸委員会での経験を生かし、2004年アテネパラリンピックに呉淑珍（陳水扁総統の妻）に随行して出席に尽力しました。さらに、陳水扁総統とともに国交のない国々との「過境外交」を積極的に推進し、陳水扁総統に随行、または単身で外遊し、その回数は30回近くに及びました。

2006年1月から2008年5月まで外交部長を務めました。

2016年には蔡英文政権の「総統府新南向政策事務室」主任に就任。

2017年からは中華民国対外貿易発展協会の董事長（会長）に転じ、現在に至ります。

中華民国対外貿易発展協会の新たな政策方向

中華民国対外貿易発展協会（TAITRA）は2020年に成立50周年を迎え、以下の新たな政策方向を発表しました。

1. 対東南アジア：新南向政策2.0
現行のTaiwan Expo見本市に加え、台湾ブランドの宣伝と現地販売チャネルとの連結を促進します。
2. 対米国：台米パートナーシップ2.0
台米ビジネス交流センターを設立し、両国間の貿易、投資、スタートアップ交流、サプライチェーン構築、および第三国市場の共同開発を促進します。
3. 対日本：台日GNT企業提携と第三国市場の共同開拓を促進します。
4. 対中国：内需市場を継続的に開拓します。
5. 対中東：中東地域のニュービジネスを開発します。
6. 対アフリカ：継続的にビジネスを開拓します。
7. 全世界のトップ企業との連結を強化します。

対日関係における重要な談話

対外貿易協会は、JETROと共同で第三地域市場での日台企業の成功事例のヒアリング、「日台協力成功事例説明会」及び「日台産業仕入れ協力商談会」を推進しており、将来的には双方の提携の基礎をより一層深め、南方市場開拓の機会を求める手助けにしていくとしています。

黄志芳氏は、自身に産業実務の経験があることに触れ、実家が機械設備の部品を製造しており、東南アジアを唯一の輸出先として繁栄を謳歌しながらも、一般の中小企業と同じく経営上の様々な難題にも直面したと述べています。黄志芳氏は2008年以来、文化創造産業やグリーン建築、鉄鋼、マネジメントコンサルティングなど、様々な分野を開拓し続けています。

対外貿易協会は、政府が新南向政策を強力に推し進めるなかで、日本企業は良き提携パートナーとなりうると考え、日本企業との提携による第三国市場プロジェクトを積極的に推進しています。黄志芳氏、徐大衛・経済部国際貿易局副局長、葉明水・対外貿易協会事務長は、展示会への出展機会を利用して、JETROや主要な在日台湾企業のトップを訪問し、経済貿易と産業協力の可能性について話し合うと述べています。

黄志芳氏は、日台の産業は相互補完性が強く、すでに多くのアセアン市場共同開拓の事例があり、今後さらに協力を拡大していくと指摘しています。

台湾と日本のビジネス提携については、日本の大手商社との交流と提携を通じて、両国企業が共に東南アジアなど世界各地にサプライチェーンを構築し、両国間のWin-Winの関係を創出していくことを目指しています。

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