黄浦江

黄浦江について

黄浦江（こうほこう、Huangpu River）は中華人民共和国の上海市を流れる重要な河川であり、その全長は97kmに及びます。この川は上海市街地の下流、呉淞口で長江に合流し、長江が東シナ海に注ぐ前の大きな支流として知られています。川幅は平均約400m、深さは約9mで、年間を通じて凍結することはありません。

起源と支流

黄浦江の源は太湖から流れ出る河川にあります。この河川は、淀山湖に注いでいます。また、黄浦江は以前は蘇州河（呉淞江）の分流として認識されていましたが、川が大きく育つことで、逆に蘇州河が黄浦江の支流となっています。黄浦江には、主要な支流として蘇州河のほかにも、薀藻浜、川楊河、淀浦河、大治河、斜塘、園泄涇、大泖港などがあります。

名前の由来

黄浦江の名前は、かつて楚国で活躍した政治家「春申君」（黄歇）に由来しています。そのため、古くは「黄歇浦」や「春申江」と呼ばれていたことから、これが転じて現在の名称となりました。

浦西と浦東

黄浦江は上海市の中心部を流れ、「浦西」と「浦東」という二つの区域に分ける役割を果たしています。長江に流れ込む河口部は呉淞口と呼ばれる港に至ります。この河川は、上海という港湾都市において外洋や内陸からの船舶が行き交う主要な交通路であり、同時に市民の飲料水の主要な供給源でもあります。

外灘は黄浦江の西側に位置しており、上海の中心地として広がっています。さらに、黄浦江の東側にある浦東はかつて不便な農村地帯でしたが、改革開放以降、浦東新区として急成長し、高層ビルが立ち並ぶ経済の中心地となりました。特に、2010年に開催された上海万博の会場もこの沿岸に設けられました。

環境問題

東京都の主要水源である黄浦江は、その一方で水質に関する問題を抱えています。特に、豚の死骸や糞の不法投棄が常態化しており、2013年には当局が病死した豚肉を販売している業者への取り締まりを強化したことで、黄浦江への不法投棄が急増し、大きな話題となりました。2013年3月19日の発表によれば、黄浦江から回収された豚の死骸は1万匹を超えており、上海市当局は水質汚染の証拠はないとしつつも、この問題に対して引き続き取り組む姿勢を示しています。

まとめ

黄浦江は上海の文化と経済に深く根ざした河川であり、その長い歴史と重要性は多岐にわたります。川の流れる周辺には歴史的な名所や商業エリアが多く存在し、人々の生活を支え続けています。しかし、環境問題にも目を向け、持続可能な形での管理が求められる河川でもあります。

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