黄色いさくらんぼ

黄色いさくらんぼ

『黄色いさくらんぼ』（きいろいさくらんぼ）は、1959年にスリー・キャッツによってリリースされた楽曲です。この作品は、作詞を星野哲郎、作曲を浜口庫之助が担当しており、コロムビア・オーケストラの演奏によって彩られています。主に松竹映画『体当りすれすれ娘』の主題歌として制作され、公開翌月の1959年9月には大ヒットを記録しました。この楽曲は、いわゆる「健康的なお色気歌謡」として広く親しまれています。

制作の背景

『黄色いさくらんぼ』は映画の主題歌を依頼され、作詞と作曲は急遽、浜口の自宅で行われました。制作はわずか1日で完了したというから驚きです。浜口は、天文学者からの占いの影響を受けてタイトルに「黄色」を加えるアイデアを思いつきました。一方、作詞は原稿用紙が手元になかったため、なんとトイレットペーパーに記されました。制作にあたったレコード会社のディレクターは、その後本クラウンの社長となる斎藤昇でした。

ヒットの記録

楽曲は、1959年における最大のヒット曲の一つとなり、レコード売上は25万枚、さらにはある時点では45万枚を記録しました。しかし、歌詞に含まれる「ウフン」という擬声語がNHKによって卑猥とみなされ、放送禁止となりました。また、第1回日本レコード大賞にもノミネートされましたが、社会的影響を考慮し受賞は逃すこととなりました。

B面曲と再発

B面には「ピンク・ムーン」が収録されており、こちらは浜口にとって初の流行歌の作詞作品となりました。浜口は作詞の締切に間に合わず、電車の中で急遽詞を書き留めることとなりました。1971年には、B面曲を新たなシングル曲『あの時帰れば』に変更しての再発も行われています。

映画『黄色いさくらんぼ』

なお、『黄色いさくらんぼ』というタイトルの映画も1960年3月に公開され、スリー・キャッツや浜口庫之助らがオープニングに出演しました。映画自体は、松竹系でカラー撮影され、76分の上映時間を持ち、脚本と監督は野村芳太郎が務めました。

カバーと影響

この楽曲は後にいくつかのアーティストによってカバーされ、1961年にはロス・パンチョスが『Kiiro Sakuranbo』として収録しました。また、ゴールデン・ハーフは1970年に日活映画『野良猫ロック セックスハンター』の挿入歌としてカバーを行い、1978年にはピンク・キャンディーズが企画アルバム「THE HE！？」に収録しました。

結び

『黄色いさくらんぼ』は日本の音楽界において重要な位置を占める楽曲であり、今なおその魅力が多くの人々に愛され続けています。また、歌詞に深く関連する思い出も含めて、作詞した星野は自身の長女にこの曲に因んで「桜子」という名を付けたといわれています。

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