黄金スペースシャトル

黄金スペースシャトル：古代文明の謎めいた黄金細工

コロンビア、シヌー地方の古代遺跡から発掘された「黄金スペースシャトル」は、その形状から飛行機や宇宙往還機を連想させる、オーパーツとして知られる黄金細工です。現在、コロンビア国立銀行付属黄金博物館に展示されているこの遺物は、幅5cm、高さ1cmほどの小さなもので、ペンダントなどの装飾品だったと考えられています。

航空力学的な形状と専門家の検証

この黄金細工の形状は、航空力学の専門家をも驚かせました。動物学者のアイヴァン・T・サンダーソン博士は、その形状が他の生物とは全く異なることを指摘し、「ベル・ヘリコプター」の設計者として名高いアーサー・ヤング氏に検証を依頼しました。ヤング氏は、この黄金細工が航空力学的に理にかなった形状をしていると結論づけました。三角翼と垂直尾翼を持つその形状は、現代のジェット機やスペースシャトルを彷彿とさせ、多くの謎を生み出しています。

様々な説と類似品

黄金スペースシャトルのような黄金細工は他にも存在し、それらは魚や鳥などを模したものだと説明されています。しかし、直線的な翼を持つ黄金スペースシャトルのようなものは、動物学者から否定的な見解が示されています。南米に生息するプレコというナマズがモデルであるという説も有力視されていますが、確証は得られていません。

発掘地であるコロンビアと、ナスカの地上絵のあるペルーの地理的な近さと、両者の制作年代の一致から、両者間に何らかの関連性があるという推測もあります。しかし、これについても明確な証拠は見つかっていません。

模型飛行機による実験とスケール効果

黄金スペースシャトルを参考に、翼幅80～100cmの模型飛行機が制作され、飛行実験が行われた事例もあります。しかし、模型飛行機が飛行したからといって、それが古代文明が飛行機を製作していたことの直接的な証拠とはなりません。これは、スケールダウンに伴う2乗3乗則による効果が大きく影響しているためです。小さな模型は、大きな飛行機よりも容易に飛行することができるのです。

未解明の謎と今後の研究

黄金スペースシャトルは、その形状、制作年代、そして意図など、多くの謎を秘めています。オーパーツとして紹介されることが多いですが、その真の姿は未だ解明されていません。今後の研究によって、この黄金細工が何を表しているのか、そして古代文明の技術レベルがどの程度であったのかが明らかになることが期待されています。様々な仮説が提唱されていますが、決定的な結論には至っていません。考古学、航空力学、そして文化人類学といった多様な分野からのアプローチが、この謎を解き明かす鍵となるでしょう。

参考文献

羽仁礼『超常現象大事典』
朱鷺田祐介『超古代文明』
並木伸一郎『未確認飛行物体UFO大全』
知的発見！探検隊『本当は怖い古代文明』
学研教育出版『失われた文明の大百科』
岡田英男『なぜ「世界遺産」は宇宙人のためにつくられたのか?』
南山宏『オーパーツ超古代文明の謎』
南山宏、並木伸一郎『ＵＦＯ超古代文明対談南山宏×並木伸一郎』
松田和之「ジャン・コクトーと「左翼の科学」: 超古代文明、アトランティス、そして「空飛ぶ円盤」」
地球の歩き方編集室『【電子限定特典付き】地球の歩き方ムー』
松岡信宏『世界のオカルト遺産 調べてきました』
並木伸一郎、ムー編集部『ムー認定神秘の古代遺産』

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