黄龍の耳

黄龍の耳

大沢在昌による日本のライトノベル作品『黄龍の耳』は、小説に先駆けて漫画化やOVA化など、様々なメディアミックス展開をした作品です。

あらすじ

物語は、主人公である棗家の第45代当主、棗希郎衛門（キロウ）が、類まれなる強運と女性を魅了する力「黄龍の力」を持つことから始まります。父の墓参りで出会った美女・伽奈子は、棗家と敵対する美那一族の一員でした。キロウは伽奈子を案じつつも、宿敵である美那一族との戦いに身を投じていきます。

登場人物

棗 希郎衛門（なつめ きろうえもん）
本作の主人公。棗家第45代当主であり、「黄龍の力」を持つ青年。右耳の小さな穴が力の証であり、普段はピアスで制御しています。伽奈子と運命的な恋に落ちます。漫画版では幼少期を修道院で過ごした過去を持ちます。

四條 伽奈子（しじょう かなこ）
棗家と対立する美那一族の美女。政略結婚を拒否して逃亡し、希郎衛門と出会います。彼との愛を自覚するも、一族と棗家の争いを避けるため自ら一族の元へ戻りますが、最終的にキロウによって解放されます。

シンクレア・ゴードン
ゴードン法律事務所に所属し、棗家を影から支える金髪の美女。射撃や格闘術に長け、キロウの身辺警護を担当します。ラジオドラマ版ではコミカルな一面も描かれています。

大河内
キロウの後見人であり、法曹界の実力者。先々代から棗家に仕え、裏社会にも精通しています。美那一族を危険視しています。

相馬 一郎
次期首相候補の息子で、伽奈子の婚約者。伽奈子を取り戻そうとキロウに挑みますが、物語序盤で敗北します。

琴子
美那一族が差し向けた刺客。快楽を用いた攻撃でキロウを誘惑しようとしますが、逆に黄龍の力で魅了されます。

宣子
美那一族の刺客。冷酷な性格で仲間にも容赦しませんが、黄龍の力には敵わず、最後は雷に打たれて命を落とします。

雅（みやび）
美那一族の刺客。変装の達人であり、醜い素顔を隠して美しい女性に姿を変えています。キロウに助けられたことで彼に可能性を感じ、宣子の攻撃から庇います。

周 汪文（しゅう おうぶん）
美那一族との戦いを終えたキロウが出会う強敵。幸運をもたらす巨大ダイヤ「ガイアの雫」を持ち、日本の権益を奪おうと企みます。キロウとの超常現象対決の末、倒されます。

セシル・ビノジェ
画家であり詐欺師。キロウの異母姉を自称し、黄龍の血筋を語って金持ちから大金を巻き上げます。メディアによって設定が異なるキャラクターです。

* ルカ・コマス
世界最大の美術品ブローカー。醜悪な容姿を持ち、裏では犯罪組織を操っているとも噂されています。

小説版

ジャンプ ジェイ ブックスから全2巻、集英社文庫から1巻が刊行されています。

漫画版

『週刊ヤングジャンプ』で連載され、ヤングジャンプコミックスから全15巻が発売されました。また、続編である『第46代 棗希郎衛門』が『週刊漫画ゴラク』で連載されました。

ゲームソフト

1995年にスーパーファミコン向けに発売されました。

パチンコ

『CR黄龍の耳』として、1997年にサミーから発売されました。

OVA

『黄龍の耳 美那の章』として、バップから全2巻が発売されました。湯山邦彦が監督を務めました。

ラジオドラマ

OVA版の販促番組として『久川綾のSHINY NIGHT 黄龍の耳』が放送されました。その後、ラジオドラマ化され、ドラマCDも発売されました。首藤剛志が脚本を担当し、漫画版をベースにしつつもオリジナル要素が盛り込まれています。

もう一度検索