黎太宗

黎太宗（レ・タイトン）とは：後黎朝の第二代皇帝の生涯

黎太宗（レ・タイトン、ベトナム語: Lê Thái Tông、1423年 - 1442年）は、後黎朝大越（現在のベトナム）の第2代皇帝（在位：1434年 - 1442年）です。名は黎 元龍（れい げんりゅう、ベトナム語: Lê Nguyên Long）または黎 麟（れい りん、ベトナム語: Lê Lân）とも呼ばれます。

若き皇帝の即位と黎察の専横

太祖黎利（初代皇帝）の次男として生まれた黎太宗は、父帝の崩御を受けて即位し、紹平と改元しました。しかし、幼い皇帝を補佐したのは黎察という人物でした。黎察は政治的手腕に欠け、多くの不正行為を行い、忠臣を殺害するなど、朝廷を混乱させました。

親政の開始と酒色に溺れる日々

成長した黎太宗は親政を開始しますが、適切な人材を登用することができず、次第に酒色に溺れるようになります。政治に対する関心は薄れ、国政は停滞していきました。

突然の崩御と阮廌一族の悲劇

大宝3年（1442年）7月、至霊県で閲兵を行った際、黎太宗は当地に隠居していた元宰相の阮廌（グエン・チャイ）から、その美しい娘である阮氏路（グエン・ティ・ロー）を紹介され、寵愛するようになりました。しかし、嘉定県に至ったところで、黎太宗は突然崩御してしまいます。

この突然の死に対し、朝廷は阮氏路が黎太宗を毒殺したという疑いを持ち、阮廌を逮捕し、一族を処刑するという悲劇を引き起こしました。阮廌は黎朝建国の功臣であり、文化人としても優れた人物であったため、この事件は後世に大きな影響を与えました。

黎太宗の死後

黎太宗の崩御後、皇太子の黎邦基（れいほうき）が即位し、仁宗となりました。しかし、仁宗も若くして崩御し、その後、政情は不安定な状態が続きました。

関連作品

黎太宗の時代を舞台とした作品として、以下の映画があります。

* ソード・オブ・アサシン（2012年、ベトナム）

黎太宗の短い生涯は、後黎朝初期の政治的混乱と、その後の王朝の衰退を暗示していると言えるでしょう。

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