黎平府

黎平府は、中国の歴史において、明代から民国初頭にかけて存在した地方行政区画です。具体的には、現在の貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州の南部に位置していました。この府は、1413年（明の永楽11年）に明朝によって設置されたことに始まります。

明代の黎平府

明代において、黎平府は貴州省に属し、その管轄下には永従県と、潭渓蛮夷長官司、八舟蛮夷長官司、洪州泊里蛮夷長官司、曹滴洞蛮夷長官司、古州蛮夷長官司、西山陽洞蛮夷長官司、新化蛮夷長官司、湖耳蛮夷長官司、亮寨蛮夷長官司、欧陽蛮夷長官司、中林験洞蛮夷長官司、赤渓湳洞蛮夷長官司、竜里蛮夷長官司といった、計13の長官司が置かれていました。これらの長官司は、現地の少数民族を統治するための特別な行政機関であり、この地域が多様な民族が共存する場所であったことを示しています。

清代の黎平府

清朝時代になると、黎平府は引き続き貴州省に属し、行政区分が変更されました。具体的には、開泰県、永従県、古州庁、下江庁という2県2庁を管轄するようになりました。この行政区分の変化は、地域の統治方法や政治的状況の変化を反映しています。

黎平府の廃止

1913年、中華民国が成立すると、黎平府は廃止されることになりました。この廃止は、中国の地方行政制度の大規模な改革の一環であり、長年続いた府制度の終焉を意味しました。

黎平府が存在した時代は、この地域が中国の政治的、文化的な影響を受けながらも、独自の発展を遂げてきた歴史を物語っています。特に、多数の少数民族が暮らす地域であったため、文化的多様性が豊かであり、その歴史的意義は非常に大きいと言えるでしょう。黎平府の歴史は、中国の地方行政制度や少数民族政策を研究する上で、重要な事例の一つとなっています。

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