黒井戸殺し

黒井戸殺し

『黒井戸殺し』は、2018年4月にフジテレビで放送された日本のスペシャルテレビドラマで、アガサ・クリスティの名作『アクロイド殺し』の映像化です。本作は、日本の1952年の片田舎・殿里村を舞台に設定し、名探偵・勝呂武尊が富豪・黒井戸禄助の殺人事件に挑むミステリーです。脚本を手がけたのは三谷幸喜で、作品は原作を忠実に尊重しつつ日本の文化を融合させています。

あらすじ

物語は、昭和27年の日本の片田舎で展開します。未亡人の唐津佐奈子が死亡し、医師の柴平祐が検死のために唐津邸を訪れる。佐奈子は、一年前に夫の毒殺疑惑が浮上しており、柴の姉・カナは彼女の自殺を疑います。富豪の黒井戸は佐奈子に結婚を申し込んでいたため、彼女の死にショックを受けます。

黒井戸は、自らの姪や秘書、友人と会食後、柴に対して佐奈子が脅されていたとの情報を提供します。その後、佐奈子の遺書が届き、黒井戸は一人でそれを読みたいと村外れに出かけますが、そこで不審な男とすれ違います。その夜、黒井戸家内から緊急電話があり、黒井戸が殺害されたことが報告されます。柴は、急いで黒井戸邸へ向かいますが、彼の書斎には、背中を刺された黒井戸の遺体がありました。

その後、捜査に当たる刑事・袖丈が到着し、様々な証言をもとに捜査が進行します。不幸にも黒井戸の義理の息子である兵藤春夫が疑われ、婚約者の花子は探偵・勝呂武尊に協力を依頼します。勝呂は、探偵業から退いた身ですが、退屈な日常に飽きていたため、事件解決の依頼に快く応じます。

主要キャラクター

• - 勝呂武尊（すぐろ たける）：名探偵。カボチャ栽培をしながら村での生活を送る。好物は鍋焼きうどんとカレーライス。
• - 柴平祐（しば へいすけ）：村で唯一の医師。勝呂の隣人であり、事件の顛末を小説としてまとめている。
• - 黒井戸禄助（くろいど ろくすけ）：村の名士であり、若い未亡人に恋心を抱いていたが、彼女の死に衝撃を受ける。
• - 唐津佐奈子（からつ さなこ）：未亡人。疑惑の的となっていた人物で、事件前に自殺。
• - 袖丈幸四郎（そでたけ こうしろう）：捜査を担当する警部。

スタッフと制作背景

本作は、アガサ・クリスティの作品を元にした第2弾であり、2015年には『オリエント急行殺人事件』が放送されていました。三谷幸喜が手がけることで、コミカルさとミステリーの要素が融合し、独自の味わいを持つ作品になっています。視聴者は、緊張感あふれる展開の中で、登場人物たちの人間ドラマにも目を奪われることでしょう。クリスティへの貢献と、名探偵が日本の風景の中で活躍する姿を楽しめる点が、本作の大きな魅力となっています。

もう一度検索