黒姫童話館

黒姫童話館（くろひめどうわかん）

長野県上水内郡信濃町の美しい黒姫高原に佇む黒姫童話館は、世界の童話を主なテーマとする町立の文学館です。信州児童文学会との協力を得て、1991年（平成3年）に開館しました。豊かな自然に囲まれたこの場所は、子どもから大人まで、物語の世界に浸ることができる特別な空間となっています。

館の特色

黒姫童話館の最大の特色は、ドイツの著名な作家、ミヒャエル・エンデに関する世界で唯一の常設展示が行われている点です。代表作に『はてしない物語』や『モモ』を持つエンデは、本人自ら2000点を超える貴重な作品資料をこの館に寄贈しました。館内では、これらの資料を中心に、作品の原稿や挿絵、創作過程を示す下書きなどが公開されています。また、エンデ作品の世界各国の翻訳版に見られる違いや、世界の代表的な童話、そして日本の民話や長野県に古くから伝わる昔話に関する展示も設けられており、幅広い視点から童話の世界を紹介しています。

さらに、黒姫高原ゆかりの二人の作家にも焦点が当てられています。

いわさきちひろ：絵本画家いわさきちひろがアトリエとして使用していた黒姫山荘が、いわさきちひろ記念事業団の協力により館の敷地内に移築・展示されています。この山荘を訪れることで、画家が作品を生み出した当時の雰囲気や創作活動の一端を感じ取ることができます。
松谷みよ子：童話作家の松谷みよ子もまた、いわさきちひろと同じ1980年（昭和55年）に黒姫高原にアトリエ山荘を構えるなど、この地と深いつながりがありました。館では、彼女に関する特別展示が行われていましたが、2004年（平成16年）7月からは常設展示室が設けられ、その功績を紹介しています。

館内にはイベントホールも完備されており、不定期ではありますが、著名な児童文学者を招いた講演会や、長野県を中心に語り継がれる日本の民話の読み聞かせといった多彩なイベントが開催されています。

利用案内

※詳細は公式ウェブサイト等でご確認ください。

周辺施設

黒姫童話館の周辺には、自然を満喫したり、文化に触れたりできる様々な施設があります。

童話の森ギャラリー：童話館に隣接する美術館で、信濃町にゆかりのある画家や作家（吉崎正巳、松木重雄、大友康夫、桜井誠、北島新平など）の作品を展示しています。手作り体験教室なども開催されています。
癒しの森：黒姫山と童話館の間に広がる森。童話館からの遊歩道「童話の森コース」を歩くと、美しい御鹿池にたどり着きます。春にはリュウキンカやコブシの花が咲き、秋には鮮やかな紅葉が楽しめます。
童話の森スノーウェーブ：冬季に営業するクロスカントリーコース場です。
旬花咲く黒姫高原（旧黒姫高原コスモス園）：50種100万本以上のコスモスをはじめ、あじさいやダリアなど、四季折々の花々が咲き誇る広大な野外庭園です。ドッグランも併設されており、愛犬と一緒に楽しむこともできます。
野尻湖：ナウマンゾウ化石発掘地としても知られる美しい湖です。

歴代館長

高橋 忠治 （1991年 - 1998年）
羽生田 敏 （1998年 - 2007年）
寺島 俊治 （2007年 - 2011年）
和田 登 （2011年 - 2017年）
北沢 彰利 （2017年 - 2022年）
* 山崎 玲子 （2022年 - 現職）

黒姫童話館は、童話の世界への扉を開き、訪れる人々に感動と安らぎを提供する場所です。黒姫高原の豊かな自然とともに、物語の魅力に触れる体験をぜひお楽しみください。

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