黒崎彰

黒崎 彰について

黒崎彰（くろさき あきら、1937年1月10日 - 2019年5月14日）は、日本の版画界において重要な存在の版画家です。京都精華大学の名誉教授であり、古典的な技法を用いて独自の作品を創り出す才能を持っていました。彼は浮世絵の伝統的な木版画技法を駆使し、さらに紙という素材を生かした革新的なペーパーワークも手がけました。

略歴と学歴

黒崎は満州国大連に生まれ、母と共に帰国し神戸で育ちました。戦時下の疎開を経て、1962年には京都工芸繊維大学を卒業しました。その後、近畿大学で講師として教鞭を執り、1969年には日本版画協会の会員となりました。以来、国画会など様々な版画団体に所属し、作品を発表していきました。

影響力と作品の変容

彼の作風は時代と共に変わり、特に1960年代後半には現代木版画の旗手として注目を集めました。彼は「ほぼ10年ごとにその作風を変容させていった」と言われ、版画の技術革新や理念に果敢に取り組みました。

また、黒崎は「洋画と日本画に区別はなく、いずれもペインティングであるべきだ」といった独自の主張を持っており、これが彼の作品や教育活動にも影響を与えました。彼の作品には、抽象的な形象が見られ、古典的な技法を用いて新しい美を追求する姿勢がうかがえます。

主な活動と受賞歴

彼は国際的な場でも活躍し、様々な美術展に参加しました。1970年から2000年代にかけて、国内外の版画ビエンナーレや国際展で多くの賞を受賞し、高く評価されています。1999年には京都府文化賞文化功労賞を受賞し、2019年には瑞宝中綬章を受章しました。

影響を与えた作品と展示

黒崎の作品は、多くの美術館に収蔵されています。彼の作品は、アメリカのニューヨーク近代美術館（MoMA）や大英博物館など、世界中で展示されてきました。また、彼は教育者としても活動し、版画技術やその歴史についての書籍を執筆したり、講演を行ったりしました。

最後の日々

彼は2019年に肺炎のため、京都市の病院で82歳で逝去しました。その作品と教えは、現在も多くの人々に影響を与え続けています。黒崎彰の業績は、版画だけでなく、現代日本美術全体における重要な遺産として語り継がれることでしょう。彼の独特な発想と技術は、今もなお刃となり、次世代のアーティストたちに継承されていくことでしょう。

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