黒川古文化研究所

黒川古文化研究所は、兵庫県西宮市苦楽園に位置する、東洋古美術の研究と展示を目的とした機関です。その起源は1950年、大阪の証券業を営んでいた黒川家のコレクションを基に、芦屋市に設立されたことに遡ります。1974年に現在の地へ移転し、現在は公益財団法人として運営されています。

研究所の活動は、美術品の保存、研究、そして一般公開の3つを柱としています。特に力を入れているのが、春と秋に開催される展覧会です。各1ヶ月間の会期中には、所蔵する貴重な美術品が公開され、多くの美術愛好家が訪れます。また、展覧会期間中には、研究所内で講演会が開催されるほか、外部での講演会なども積極的に行われています。

収蔵品について

黒川古文化研究所の収蔵品は、黒川家の3代にわたる収集によって築かれました。特に2代目の黒川幸七は、日本と中国の美術工芸品を熱心に収集し、コレクションの中核を担っています。そのコレクションは質量ともに充実しており、国宝2件、国の重要文化財16件（162点）、重要美術品62件（78点）を含みます。

収蔵品の分野は、貨幣、書画、刀剣、銅鏡など多岐にわたりますが、中でも日本刀のコレクションは特筆に値します。その質と量は、国内でも屈指と評価されています。以下に、主な収蔵品をいくつかご紹介します。

国宝

短刀 朱銘貞宗 本阿花押（名物伏見貞宗）（鎌倉時代）
短刀 銘来国俊 （鎌倉時代）

重要文化財（刀剣・刀装具）

太刀 菊御作（鎌倉時代）
太刀 銘備前国長船住景光 （裏）□□月　日（鎌倉時代）
太刀 銘大和則長作（鎌倉時代）
刀 無銘 伝・行光（鎌倉時代）
刀 無銘 伝・行光（鎌倉時代）
太刀 銘国光（鎌倉時代）
刀　無銘 長谷部（南北朝時代）
刀 銘慶長九年十一月吉日信濃守國廣作 依賀茂祝重邦所望打之（安土桃山時代）
太刀 銘一（鎌倉時代）
太刀 銘包次（鎌倉時代）
豊干禅師図鐔 銘安親 （江戸時代）

重要文化財（書跡）

紫紙金字金光明最勝王経 巻第三（奈良時代）
伏見天皇宸翰願文（鎌倉時代）

重要文化財（絵画）

寒林重汀図 伝董源（中国五代）

重要文化財（考古資料）

羽黒山御手洗池出土銅鏡 140面（平安時代）
碧玉製模造品弓矢等 8箇 伝奈良県天理市布留出土（古墳時代）

交通アクセス

所在地：〒662-0081 兵庫県西宮市苦楽園三番町14-50
阪急神戸本線、夙川駅からバス「柏堂町」下車 徒歩15分
阪急神戸本線、夙川駅からタクシー10分

周辺施設

堀江オルゴール博物館
* 北山緑化植物園

黒川古文化研究所は、貴重な文化財に触れることができる貴重な場所です。春または秋の展覧会開催時期に合わせて、ぜひ一度訪れてみてください。ひょうごっ子ココロンカードの対象施設にもなっています。

黒川古文化研究所

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