黒沢俊夫

黒沢 俊夫 (くろさわ としお)

黒沢俊夫は、大阪府出身のプロ野球選手で、主に外野手として知られています。1914年6月10日生まれ、1947年までの短い生涯でしたが、彼の足跡は今も多くの野球ファンの心に刻まれています。彼の背番号4は、巨人軍の永久欠番とされ、特別な意味を持っています。

学生時代とキャリアの始まり

黒沢は大阪府立八尾中学校時代に甲子園大会に春夏合わせて5回出場する実力を誇り、その後関西大学に進学。大学ではチームの主砲として活躍し、西村幸生投手の存在と共に関大の黄金時代を築きました。1933年にはハワイ遠征にも外野手として参加し、その名を広めていきました。

プロ野球選手としての道

1936年、名古屋金鯱軍に入団し外野手のレギュラーとして活躍を始めました。1937年には、春季リーグで打率.295を記録し、シーズン中に32盗塁を達成するなど、攻守両面でチームに貢献しました。この年の冬には応召となり、やむを得ず退団しましたが、1940年には復帰。その後、大洋軍に移籍し、再び戦後の混乱にも負けずにプレーを続けました。

1944年には西鉄軍が解散となり、東京巨人軍へ移籍。この年、黒沢はリーグ2位の打率.348を記録し、17打点を挙げるなど、主力選手としてチームを支えました。特にプラス面として、高速の走塁で通算10回のホームスチールを達成したことも彼の名を示す記録となっています。

最盛期と残された功績

戦後、巨人へ復帰した黒沢は1946年、打率.308を残し、60打点を挙げました。この年は特に印象深く、東西対抗戦でのサヨナラ打や、クリーンナップとしての活躍は、彼の実力を見せつけるものでした。しかし、1947年、彼は突然の病に倒れ、わずか33歳という若さで急逝しました。

黒沢の遺産

彼の死は野球界に衝撃を与えました。闘病中も試合に出場し続けた責任感の強さは、多くの選手たちにとって模範となりました。そのため、巨人軍は彼に球団葬を行い、背番号4を永久欠番としました。この決定は、戦時中の厳しい状況にあったチームで彼が果たした役割に対する感謝の印でもありました。

記憶と後の影響

2006年には、東京ドームで永久欠番のプレートが掲示される際、黒沢の親族が見つからないままでのセレモニーが行われました。2007年には、安全にその名を残し続けるために特別にアレンジされたユニフォームが公式に販売され、彼の存在が再評価されるきっかけとなりました。

黒沢俊夫は、打撃だけでなく走塁でも類まれな才能を持ち合わせた選手でした。彼の業績は多くのファンに記憶され続け、野球界における一人のレジェンドとして位置づけられています。

もう一度検索