黒滝村

黒滝村：大峰山系の自然と歴史が息づく奈良の村

奈良県の中部に位置する黒滝村は、吉野郡に属する山間部の村です。「奈良のへそ」をキャッチフレーズに、大峰山脈北部、吉野山の南側、主脈の西側に広がる豊かな自然に囲まれた静かな村です。大天井ヶ岳、四寸岩山、扇形山、柏原山、百貝岳といった山々に囲まれ、黒滝川（紀の川水系大和丹生川の上流部）が流れる美しい景観が特徴です。

歴史と変遷

黒滝村は、1912年（明治45年）7月1日に南芳野村から分割され、赤滝、中戸、寺戸、脇川、槇尾、鳥住、粟飯谷、堂原、御吉野、長瀬、桂原、笠木といった地区を合わせて誕生しました。その後、1949年（昭和24年）5月3日には大字才谷が秋野村に編入されています。2004年には天川村との合併が協議されていましたが、2005年3月31日に廃止されました。

近年では、2023年3月31日に、村が出資する第三セクター「黒滝森物語村」における雇用調整助成金の不正受給事件を受け、当時の辻村源四郎村長が辞職し、政界を引退しました。第三セクターの副社長は詐欺容疑で逮捕される事態となりました。この事件の後、植田忠三郎氏が村長に就任し、新たな村政がスタートしています。

地理と地域

村内には、赤滝、北野、粟飯谷、笠木、桂原、寺戸、鳥住、堂原、中戸、長瀬、槇尾、御吉野、脇川といった様々な地区があり、それぞれに独特の雰囲気と歴史が息づいています。郵便番号は「638-02xx」で、黒滝郵便局が中心的な役割を担っています。

2007年10月1日現在の人口は約982人となっており、2002年から2007年にかけては人口減少が課題となっています。

経済と産業

黒滝村の経済は、古くから林業が中心でした。近年では、こんにゃく作りが盛んで、地域独特の産業として発展を遂げています。JAならけん黒滝支店が地域の農業を支え、日本郵便黒滝郵便局は村民の生活に密着したサービスを提供しています。

教育と生活

教育機関としては、黒滝村立黒滝中学校、黒滝村立黒滝小学校、黒滝村立黒滝こども園があり、村の子どもたちの教育を担っています。

交通

村内には鉄道は通っておらず、最寄りの駅は近畿日本鉄道吉野線の下市口駅です。下市口駅から奈良交通のバスを利用して黒滝村へアクセスできます。村内には黒滝ふれあいバスというコミュニティバスも運行されており、村内各地と道の駅吉野路黒滝を結んでいます。国道309号が村を通り、主要地方道である奈良県道48号洞川下市線や一般地方道である奈良県道138号赤滝五條線が村内の交通網を支えています。

観光と文化

黒滝村には、歴史と自然が融合した魅力的な観光スポットが数多く存在します。鳳閣寺、理源大師廟塔、高算堂、河分神社といった歴史的建造物や、黒滝吊橋、黒滝村歴史資料館（旧役場庁舎）、赤岩渓谷、きららの森・赤岩といった自然豊かな場所があります。また、鳳閣寺火渡り神事など、地域独特の祭事や催事も行われています。数多くの神社仏閣も点在し、歴史と信仰の深さを感じることができます。

黒滝村は、大峰山系の豊かな自然と歴史が息づく魅力的な村です。これからも、独自の文化を守りながら、観光や産業の振興を通じて発展していくことが期待されます。

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