黒田昌裕

黒田昌裕

黒田昌裕（くろだ まさひろ、1941年1月17日 - ）は、日本の経済学者であり、特に産業連関分析の分野で顕著な業績を残しています。慶應義塾大学商学部長、慶應義塾常任理事、東北公益文科大学学長といった要職を歴任しました。

経歴

1941年、石川県に生まれた黒田昌裕は、1964年に慶應義塾大学経済学部を卒業。その後、同大学大学院商学研究科に進み、修士課程を1966年に修了しました。1969年には博士後期課程を満期退学し、慶應義塾大学商学部の助手となります。

1972年には助教授に昇任し、研究者としてのキャリアを本格的にスタートさせます。1978年から1980年まで、ハーバード大学で客員研究員（フルブライト研究員）として研究に従事しました。1982年には慶應義塾大学教授に就任し、後進の指導にあたりました。

1983年には福澤賞を受賞。1991年から1993年9月まで慶應義塾大学産業研究所所長を務め、1993年から1997年9月までは商学部長を務めました。1992年には、慶應義塾大学より博士（商学）の学位を授与されています。論文の題は"Economic Growth and Structural Change in Japan"です。

1997年には国際産業連関学会会長に就任し、1998年には総合資源・エネルギー調査会需給部会部会長に就任するなど、学会や政府の要職を歴任しました。2001年には慶應義塾常任理事、環太平洋産業連関学会会長に就任。

2005年3月に慶應義塾大学を退職後、同年6月には内閣府経済社会総合研究所所長に就任し、政策立案にも貢献しました。2008年5月に同所を退所し、同年6月2日には東北公益文科大学学長に就任。2012年3月31日に同学長を退任しました。

2016年11月には、長年の教育・研究活動が評価され、瑞宝中綬章を受章しています。

主な著作

黒田昌裕は、経済学に関する多数の著書を執筆しています。主な著書には、以下のようなものがあります。

『実証経済学入門』 日本評論社、1984年
『一般均衡の数量分析』 岩波書店、1989年
（辻村江太郎）『日本経済の一般均衡分析』筑摩書房、1974年
（玉置紀夫）『実学日本の銀行』 慶應義塾大学出版会、1996年
（木地孝之、吉岡完治、早見均、和田義和）『中国のエネルギー消費と環境問題』 通商産業調査会、1996年
（中島隆信）『テキストブック入門経済学』 東洋経済新報社、2001年
（西川俊作、辻村江太郎）『消費需要の予測―1929-70年のアメリカ経済』 勁草書房、1968年

これらの著作は、経済学の研究者や学生にとって重要な参考文献となっています。

外部リンク

経済産業研究所 フェロー紹介ページ
庄内日報ニュース - 「新しい大学づくり」に挑戦 公益大次期学長の黒田氏が抱負
河北新報 - 再生委員に聞く（2）東北公益文科大学長　黒田昌裕氏
* P2Mマガジン - 黒田昌裕「特別寄稿(5)「ポスト・コロナの経済社会を支える科学技術政策の在り方－技術効率の向上と無形固定資産としての知識ストック －」

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