黒豹のバラード

黒豹のバラード

『黒豹のバラード』（原題：Posse）は、1993年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画です。マリオ・ヴァン・ピーブルズが監督・主演を務め、サイ・リチャードソンの祖父たちの実体験を基に製作されました。この作品は、アフリカ系アメリカ人を主人公とした異色の西部劇であり、キャストの多くをアフリカ系アメリカ人の俳優やミュージシャンが占めている点が特徴です。

あらすじ

物語は1898年、米西戦争中のキューバから始まります。アフリカ系アメリカ人の軍人であるジェシー・リーは、小隊を率いて戦っています。しかし、彼は上官である冷酷なグラハム大佐が敵の黄金を隠匿している事実を知ってしまいます。それを知ったジェシーは、仲間のリトル・J、ウィージー、オボボ、エンジェルと共に罠にかけられ、命を狙われることになります。

辛くも脱出したジェシーたちは、グラハムの追跡を逃れてアメリカへ帰国し、ジェシーの故郷である西部の町フリーマンヴィル（自由の町）を目指します。フリーマンヴィルは、アフリカ系アメリカ人が自由を謳歌できる数少ない町の一つでした。しかし、彼らが故郷に戻ってみると、フリーマンヴィルはかつての自由な町ではなくなっていました。鉄道が開通することになり、ベイツ保安官を筆頭とする白人たちによって、アフリカ系アメリカ人に対する圧政が行われていたのです。

故郷でかつての恋人ラナと再会し、平穏な生活を願うジェシーでしたが、白人たちの圧政を目の当たりにし、立ち向かわざるを得ない状況に追い込まれていきます。彼は仲間たちと共に、故郷の自由を取り戻すための戦いに身を投じることになります。

キャスト

ジェシー・リー：マリオ・ヴァン・ピーブルズ
リトル・J：スティーヴン・ボールドウィン
グラハム大佐：ビリー・ゼイン
ウィージー：チャールズ・レイン
オボボ：トム・リスター・ジュニア
エンジェル：トーン・ロック
タイム神父：ビッグ・ダディ・ケイン
ベイツ保安官：リチャード・ジョーダン
ラナ：サリー・リチャードソン
パパ・ジョー：メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ
プレストン：レジナルド・ヴェルジョンソン
カーヴァー：ブレア・アンダーウッド
ケーブル：アイザック・ヘイズ
フィービー：パム・グリア
ダブルトリー：リチャード・ガント
トム保安官助手：リチャード・エドソン
ヴェラ：ヴェスタ・ウィリアムス
ジミー・ラヴ：スティーブン・J・キャネル
駅の歌手：アーロン・ネヴィル
語り手：ウディ・ストロード

作品の意義

『黒豹のバラード』は、西部劇というジャンルにおいて、これまで語られることの少なかったアフリカ系アメリカ人の視点を取り入れた作品として高く評価されています。抑圧された人々が自由を求めて戦う姿を描き、観る者に強い印象を与える作品です。

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