黒鉄ぷかぷか隊

『黒鉄ぷかぷか隊』

『黒鉄ぷかぷか隊』（くろがねぷかぷかたい）は、栗橋伸祐による日本の戦争漫画作品で、2006年6月から2018年8月まで『MC☆あくしず』（イカロス出版）に連載されました。この作品は、他の多くの戦争漫画とは異なり、史実を基にした仮想戦記として展開されています。

ストーリーの概要

物語は、1939年の秋に始まります。日本海軍は盟邦であるドイツ海軍からの依頼を受け、「通商破壊作戦」に乗り出すこととなります。任務は、インド洋においてイギリスの海上輸送を妨害することです。この背景には、当時の国際情勢と戦争の流れがあります。物語は、日本海軍のポケット戦艦「畝傍」がイギリスの商船を沈めるシーンからスタートし、多くの興味深いキャラクターが登場します。

この作品の特徴的な点は、乗組員が急遽女性軍人により構成されて出撃することです。これは、正規の乗員が体調を崩してしまったための設定です。作中には、ドイツ海軍やイギリス海軍でも女性指揮官が描かれており、時代を超えた男女の戦闘員描写に新鮮さを与えています。

主なキャラクター

日本海軍

• - 別当艦長: 古強者としての経験を持ち、茶を嗜みながら落ち着いた性格を持つ好々爺です。艦内では和室で盆栽を愛でる姿が描かれやすい。
• - 九鬼副長: 真面目で規律を重んじる性格を持つ「委員長タイプ」。部下からの信頼も厚い。特技は空手で、敵を退けた実績も。
• - 間宮内務長: 九鬼副長を冷静にサポートし、艦内で一目置かれる存在。彼女の内面の葛藤も物語の中で描かれています。
• - 小浜砲雷長: 美貌の持ち主でありながら、作戦行動中でも化粧を欠かさないマイペースな性格。
• - 千賀航海長: 落ち着いた雰囲気の持ち主で、普段は無口だが、仲間とのやり取りにも参与しています。
• - 来島キク: 身体は小柄ですが、優れたパイロットとして活躍する水上偵察隊のメンバー。
• - 能島阜子: 水上航法士であり、来島の取りまとめ役としての一面を持つキャラクター。

ドイツ海軍

• - ニーナ・シュトルベルガー艦長: Uボートの艦長で、部下思いな性格。体臭に関する設定もあり、彼女の個性を際立たせています。

イギリス海軍

• - アン艦長: 行動が問題視される一方で、指揮官としての能力は高く、部下からの信頼も厚い。彼女とニナのライバル関係が物語に緊張感を与えています。

登場兵器

• - 日本重巡洋艦「畝傍」: 通商破壊を目的に完成した艦で、主砲は元準弩級戦艦「摂津」の流用がなされています。
• - ドイツの潜水艦「U800」: 女性のみで編成された部隊が特徴的。
• - イギリス海軍の艦船: 架空の艦船も描かれ、戦闘の興奮を高めています。

結論

『黒鉄ぷかぷか隊』は、男女の戦士たちが織りなすドラマと、歴史的な背景が見事に融合した作品です。戦略や人間関係の複雑さが描かれ、時代を超えた女性の力を称えるストーリーが展開されています。栗橋伸祐の独特なタッチが、多くの読者の心をつかみ、今なおその魅力は色褪せることがありません。

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