鼻中隔穿孔

鼻中隔穿孔について

鼻中隔穿孔とは、鼻腔の中央にある鼻中隔に穴が開く状態です。鼻中隔は鼻腔を左右に仕切る軟骨と骨で構成されており、この部分に穿孔が生じると、様々な症状を引き起こす可能性があります。

原因

鼻中隔穿孔の最も一般的な原因は、外傷です。例えば、交通事故やスポーツによる打撲、鼻をぶつけるなどの外的衝撃によって鼻中隔に損傷を受け、穴が開いてしまうことがあります。この損傷は、一度の強い衝撃による場合もあれば、小さな衝撃が繰り返し加わることによって徐々に進行する場合もあります。

また、職業性疾患として、6価クロムによる慢性的な鼻粘膜の炎症が原因となるケースも報告されています。6価クロムは、金属加工や皮革なめしなど様々な産業で使用される物質であり、長期にわたる暴露は鼻中隔穿孔のリスクを高めます。

さらに、鼻中隔湾曲症を併発している場合も、穿孔のリスクが高まります。鼻中隔湾曲症とは、鼻中隔が曲がっている状態であり、鼻づまりなどの症状を引き起こします。湾曲した鼻中隔は、空気の流れを妨げるため、鼻をかむ際に強い力がかかり、鼻中隔を傷つける可能性があります。無意識のうちに鼻中隔を繰り返し刺激することで、穿孔に至るケースが多く見られます。

症状

鼻中隔穿孔の症状は、穿孔の大きさや位置、患者の状態によって異なります。小さな穿孔では自覚症状がない場合もありますが、症状が現れる場合は以下の様なものがあります。

鼻血：穿孔部から出血することがあります。頻度が高い場合や大量出血の場合は注意が必要です。
鼻閉：穿孔によって鼻腔の形状が変化し、鼻の通りが悪くなることがあります。
鼻漏：鼻水が増えることがあります。
鼻腔乾燥：鼻腔内の湿度が低下し、乾燥感が強まることがあります。
* かさぶた：穿孔部から出血した血液が固まり、かさぶたが形成されることがあります。大きなかさぶたが形成されるケースもあります。

治療

鼻中隔穿孔の治療は、症状の重症度によって異なります。小さな穿孔で症状が軽微な場合は、特に治療は必要ありません。経過観察を行い、症状が悪化した場合に治療を検討します。

しかし、頻繁な鼻血や大きなかさぶたなど、日常生活に支障をきたす症状がある場合は、手術による治療が必要となる場合があります。手術では、鼻中隔の穿孔部を修復したり、鼻中隔湾曲症を同時に矯正したりします。手術方法は、穿孔の大きさや位置、患者の状態などによって異なります。

鼻中隔穿孔は、放置すると症状が悪化する可能性があるため、気になる症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。早期発見と適切な治療により、症状の悪化を防ぎ、快適な鼻呼吸を取り戻すことができます。

もう一度検索