齊藤了英

齊藤 了英

齊藤 了英（さいとう りょうえい、1916年4月17日 - 1996年3月30日）は、日本の著名な実業家であり、大昭和製紙（現在の日本製紙）の名誉会長を務めました。彼は「東海の暴れん坊」と呼ばれ、実業界において独自の存在感を示しました。齊藤は、創業者である父・齊藤知一郎の長男として静岡県に生まれ、学業を経て実業界へと足を踏み入れました。

経歴

静岡県立沼津中学校を卒業した後、1938年には早稲田大学専門部商科、1941年には日本大学専門部法科を卒業しました。この後、彼は父の設立した大昭和製紙に入社し、次第に取締役や専務、副社長などを歴任。1961年に父の死去に伴い、2代目社長に就任しました。

しかし、1980年代には経営危機が訪れ、1982年に相談役に退くことになります。その後は弟の滋与史が社長に就任し、1993年には贈賄容疑により逮捕され、1995年には有罪判決を受けました。最終的に、1996年に脳梗塞により79歳でこの世を去りました。

エピソード

大昭和製紙の再建に関して、住友銀行との関係が悪化したことがありました。特に住友銀行が同社のゴルフ場や絵画を売却したことに対し、大きな恨みを持っていたとされています。また、1970年夏には田子の浦港でのヘドロ公害が社会問題化し、その33%は大昭和系の製紙工場からの廃水によるものでした。

さらに1990年には、フィンセント・ファン・ゴッホやピエール＝オーギュスト・ルノワールの名画を巨額で落札し、文化に対する恣意的な発言がメディアを賑わせました。特に「棺桶に入れてもらう」との発言から批判を受け、その後は「愛情を表現した言葉のあや」と弁明しています。

スポーツとの関わり

了英は陸上競技にも力を入れ、自社に陸上競技部を設立し、多くのオリンピック選手を輩出しました。また、野球の振興にも尽力し、硬式野球部を創設しました。1953年には都市対抗野球大会で初優勝を果たし、強豪チームとして名を馳せました。1952年には静岡県体育協会の会長に選ばれ、国民体育大会では静岡県選手団の団長を務めました。

家族・親族

齊藤家は静岡県にルーツを持つ実業家一家で、父・知一郎や弟たち、そして長男には公紀がいます。公紀は大昭和製紙社長をについた後、家族は多方面にわたるビジネスに関与しています。長男の妻は日本石油社長の孫という家系で、家族全体が日本の実業界において重要な役割を果たしています。

まとめ

齊藤了英の人生は、実業界だけでなく、文化やスポーツにも多大なる影響を与えたことが窺えます。彼の波乱万丈な人生は、日本の戦後の経済成長と密接に関連しており、その足跡は今も多くの人々に影響を与えています。

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