齋藤毅 (図書館員)

齋藤毅（さいとう つよし）は、1913年（大正2年）9月20日に生まれ、1977年（昭和52年）10月14日に没した、昭和期の著名な図書館学者です。彼は、日本の図書館学の発展に大きく貢献し、その功績は今日でも高く評価されています。

生い立ちと初期のキャリア

齋藤毅は、山口県大津郡三隅町（現在の長門市）で生まれました。1937年（昭和12年）3月には東京帝国大学文学部国文学科を卒業し、その後大学院に進みました。学究生活を終えた後、仙台陸軍幼年学校で国漢科教官を務め、1941年（昭和16年）には建国大学助教授に就任するなど、教育者としてのキャリアも積みました。

国立国会図書館での活動

1947年（昭和22年）からは衆議院事務局嘱託として勤務し、その後、国立国会図書館の職員となりました。国立国会図書館では、一般考査部部付室長、連絡調整課長、閲覧部長、総務部長といった要職を歴任し、図書館運営の中核を担いました。1970年（昭和45年）7月から1973年（昭和48年）6月にかけては、国立国会図書館の副館長を務め、図書館行政の発展に尽力しました。

図書館短期大学学長として

1973年（昭和48年）には、図書館短期大学の学長に就任しました。図書館短期大学は、図書館員の養成を目的とした教育機関であり、齋藤毅は学長として、図書館学の専門家育成に貢献しました。彼の指導のもと、多くの図書館員が社会に巣立ち、日本の図書館界を支える人材を輩出しました。

学術的な貢献と著書

齋藤毅は、図書館学の研究にも力を注ぎ、多くの著作を残しました。特に、L・R・マッコルビン著『現代の図書館』の翻訳は、日本の図書館学界に大きな影響を与えました。また、1977年に刊行された著書『明治のことば―東から西への架け橋―』は、言語学的な観点からも貴重な研究資料となっています。これらの著書は、図書館学や言語学の研究者にとって、重要な文献として参照されています。

死後の顕彰

齋藤毅は、1977年（昭和52年）に亡くなりましたが、その功績は後世にまで語り継がれています。死後、従三位勲二等瑞宝章が授与され、その業績を讃えられました。彼の生涯は、日本の図書館学の発展にとって、不可欠なものであったと言えるでしょう。

参考文献

* 社団法人 日本図書館協会 図書館学教育部会会報 第6号 1978年3月31日発行

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