龍光院 (和歌山県高野町)

龍光院

龍光院（りゅうこういん）は、和歌山県伊都郡高野町高野山に位置する真言宗の寺院であり、高野山真言宗の別格本山として知られています。本尊には大日如来を祀り、静寂な空間で訪れる人々を迎え入れています。

歴史

龍光院の歴史は古く、弘法大師空海が高野山を開いた当初、この地にあった中院がその起源とされています。平安時代後期には、僧明算（1021年 - 1106年）がこの寺に入り、「龍光院」と号したと伝えられています。かつては広大な寺領と多くの末寺を擁し、高野山の中でも重要な寺院の一つとして繁栄しました。

文化財

龍光院は、数々の国宝や重要文化財を所蔵する寺院としても知られています。

国宝

絹本著色伝船中湧現観音像: 平安時代後期に制作された、観音菩薩を描いた美しい絵画です。
紫紙金字金光明最勝王経: 聖武天皇が各地の国分寺に安置させた「国分寺経」の遺品で、10巻が伝わります。どこの国分寺に安置されていたかは不明です。
大字法華経: 奈良時代に書写された法華経で、巻三を欠く7巻が現存しています。
細字金光明最勝王経: 唐時代に書写された金光明最勝王経で、2巻が残されています。

重要文化財

絹本著色狩場明神像: 神道の神である狩場明神を描いた絵画です。
絹本著色両界曼荼羅図: 密教の世界観を表した曼荼羅図です。
木造屏風本尊: 6面にわたる木製の屏風に仏像を彫り出したものです。
木造兜跋毘沙門天立像: 仏法を守護する毘沙門天の立像です。
厨子入倶利伽羅竜剣: 倶利伽羅竜が巻き付いた剣で、厨子に納められています。
蓮華形柄香炉: 蓮の花を模した美しい香炉です。
灌頂道具類: 密教の儀式である灌頂に用いられる道具一式です。
傘蓋一対: 蓋2張、軸及び骨一具、蓋幡4旒2組、龍頭2頭からなる一対の傘です。
宝冠一対: 儀式などで使用される宝冠一対です。
明鏡（鏡箱入）一対: 鏡箱に収められた一対の鏡です。
瓶: 1口の瓶です。
塗香器（台皿付）: 台皿付きの塗香器です。
附:泥塔、袈裟、五鈷鈴、七鈷鈴、団扇、箪笥: その他の附指定として、泥塔1基、袈裟3領、五鈷鈴1口、七鈷鈴1口、団扇1柄、箪笥1基が指定されています。
諸経要集: 巻第五です。
註仁王般若経: 巻第一です。
放光般若波羅蜜経: 天平十五年五月十一日光明皇后願経です。巻第九が残されています。
大毘盧遮那経（白朱両点本）・大毘盧遮那経供養次第法疏: 巻第二（朱点本）8帖が残されています。
大毘盧遮那経: 巻第一です。

これらの文化財は、龍光院の歴史と文化の高さを物語る貴重なものです。寺院を訪れる際には、これらの文化財をじっくりと鑑賞することをお勧めします。

所在地

和歌山県伊都郡高野町高野山147

外部リンク

和歌山県教育委員会文化遺産課

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