龍神社 (大阪狭山市)

大阪府大阪狭山市岩室の狭山池内にある龍神社は、狭山神社の管理下にあります。この神社は、狭山池にまつわる龍神伝説に深く根ざした神社です。

祭神

龍神社では、以下の神々が祀られています。

水波能売命（みずはのめのみこと）
天水分神（あめのみくまりのかみ）
国水分神（くにみくまりのかみ）

これらの神々は、いずれも水に関わる神様であり、狭山池の水を守り、人々に恵みをもたらすとされています。

由緒

龍神社の創建には、次のような伝説が語り継がれています。

昔、狭山池には雌の大蛇が住んでおり、富田林市の粟ヶ池に住む雄大蛇に恋をしていました。雌大蛇は毎晩のように雄大蛇の元へ通っていましたが、その通り道にある田畑は荒らされ、人や牛が飲み込まれるなどの被害が続出しました。困り果てた村人たちは龍神を退治しようと考えましたが、祟りを恐れて思いとどまり、代わりに雄大蛇を狭山池に迎え入れ、雌大蛇と夫婦として一緒に暮らしてもらうことにしました。そして、狭山池に祠を建てて祀ったところ、田畑が荒れることはなくなったと伝えられています。

また、別の話として、河合（現在の松原市）に住む男の夢に美しい男女の若者が現れ、「自分たちは狭山池に住む大蛇で、池の祠で幸せに暮らしている。しかし池だけの生活は息苦しいので、ここに自分たちの祠を建てて、広い大和川まで行けるようにしてほしい」と告げました。男は夢の内容に迷っていましたが、数日後に井戸から不思議なお金を見つけ、夢が現実だと悟り、すぐに祠を建てました。

龍神夫婦は、池干しの際には西除の滝つぼに移り、池に水が溜まると戻ってきていました。安政の大改修で滝つぼを埋める工事が行われた際、怪我人が続出し、龍神の祟りだと恐れられました。そこで、1858年（安政5年）に滝つぼの代わりとなる大きな淵を掘り、祠を池の中に祀ることで、池干しの際にも龍神が淵の底に溜まった水に住むことができるようにしました。この淵は現在、龍神淵と呼ばれています。龍神淵は直径27m、深さ5mのすり鉢状の大きな窪みです。

龍神社は、狭山池の歴史と深く結びつき、地域の人々の信仰を集めています。

所在地

大阪府大阪狭山市岩室2439-1

エピソード

大阪狭山市のマスコットキャラクター「さやりん」は、狭山池の龍神伝説と狭山池を取り巻く桜をモチーフにしています。

関連項目

龍神社 - 様々な龍と龍を祀った寺社。

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