龍福寺 (関市)

臨済山龍福寺は、岐阜県関市武芸川町に位置する臨済宗の禅寺です。この寺は、美濃三十三観音霊場の7番札所としても知られています。ただし、同じく「臨済山龍福寺」という名称の寺が加茂郡富加町にも存在し、そちらは美濃三十三観音霊場の28番札所となっています。

龍福寺の創建は、永禄7年（1564年）に遡ります。土岐氏の家臣であった佐藤公輝の庶子、恩田吉久が、関市広見の長春寺の住持であった高安和尚を開山として招いたことが始まりです。しかし、2世住持の無伝和尚の時代になると寺は一時衰退しました。その後、正保元年（1644年）に秀國和尚が中興開祖となり、寺は再興されました。江戸時代には尾張藩から汾陽寺の管理を任されるなど、地域において重要な役割を果たしていました。

現在の本堂は明治36年（1903年）に建立されたもので、ご本尊として聖観音菩薩が祀られています。また、承応元年（1652年）に建立された観音堂には、千体地蔵と、創建者の恩田吉久が納めたとされる三十三観音像が共に祀られています。この観音堂は、歴史的にも非常に価値のある建造物と言えるでしょう。

さらに、龍福寺は春日局ゆかりの寺としても知られています。境内には、春日局の戒名が刻まれた碑が建てられており、彼女とこの寺との深い関わりを物語っています。

参考文献として『新修 武芸川町史』が挙げられます。この文献は、龍福寺の歴史や文化をより深く理解するための貴重な資料となっています。

龍福寺は、その歴史的背景や文化的な価値から、地域の人々にとって重要な存在であり、多くの参拝者が訪れる場所です。美しい自然に囲まれた静かな環境は、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。

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