.3ds

.3dsファイル形式とは

.3dsは、Autodesk 3ds Maxで使用される3Dモデルファイル形式の一つです。元々は、3D Studio DOSというソフトウェアのネイティブ形式であり、1990年代初頭から普及しました。3D Studio DOSが後継の3ds Maxに置き換えられた後も、.3ds形式は異なる3Dソフトウェア間でのモデルのやり取りや、3Dモデルの保存形式として広く利用されてきました。

.3dsの構造

.3ds形式は、バイナリファイル形式であり、チャンクと呼ばれる単位でデータが構成されています。各チャンクには、チャンク識別子とデータの長さ、そして実際のデータが含まれています。この構造により、パーサーは理解できないチャンクをスキップでき、形式の拡張も可能になっています。

チャンクは、XMLのDOMツリーに似た階層構造を持ちます。パーサーは、チャンク識別子に基づいて、そのチャンクを解析するかスキップするかを決定します。チャンクの長さは、リトルエンディアン形式の4バイト整数で表され、その後ろにチャンクデータとサブチャンクが続きます。

一般的なチャンクの構造は以下の通りです（階層構造で表示）:

メインチャンク
メッシュチャンク
頂点データ
面データ
テクスチャ座標
マテリアルチャンク
カラーデータ
テクスチャマップ
ライトチャンク
ライト位置
ライトカラー
カメラチャンク
カメラ位置
カメラターゲット

.3ds形式の欠点

.3ds形式は、その普及にもかかわらず、いくつかの欠点も抱えています。これらの欠点が、現在の3Dデータ交換において、この形式が最適とは言えない理由となっています。

三角形分割: すべてのメッシュが三角形で構成されている必要があり、四角形以上のポリゴンは表現できません。
ファイル名制限: テクスチャファイル名は、8.3形式（短いファイル名）に制限され、長いファイル名や特殊文字を含むファイル名は使用できません。
頂点・ポリゴン数制限: 1つのメッシュあたりの頂点数とポリゴン数が65,536個に制限されています。
頂点法線: 正確な頂点法線をファイルに格納できず、スムージンググループを使用して近似的な表現を行います。これにより、他のソフトウェアで読み込んだ際に、見た目が変わる可能性があります。
オブジェクト名制限: オブジェクト、ライト、カメラの名前は10文字、マテリアル名は16文字に制限されています。
平行光源: 平行光源がサポートされていません。

補足

.3ds形式は、そのシンプルさから多くの3Dソフトウェアでサポートされていますが、その制約から、より高度な3Dデータ交換には適していません。そのため、現代の3D制作では、FBXやOBJなどの新しい形式がより頻繁に使用されています。

参考情報

Autodesk Knowledge Network: 3D Studio Mesh (3DS, PRJ) Files
3DS parsing tutorial: Amir "Genjix" Taaki
Spacesimulator.net: 3ds format file reader, loader
The Labs: 3DS File Format
lib3ds: C library for loading/saving 3DS files
Jim Pitts (1994): 3D Studio File Format
Martin van Velsen and Robin Fercoq (1997): 3D-Studio File Format
Jochen Wilhelmy (1997): 3D Studio File Format Information

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