.45ACP弾

.45ACP弾について

.45ACP弾は、1905年にジョン・ブローニングによって設計された大型自動拳銃専用の実包です。この弾薬は、口径が0.45インチ（約11.43mm）であり、ACPは「Automatic Colt Pistol」の略称です。

歴史的背景

.45ACP弾が開発される以前、アメリカ陸軍は.38口径のリボルバーを制式拳銃として使用していました。しかし、1898年に開催された米西戦争の際、フィリピンでのモロ族の蜂起により、.38口径の弾薬の打撃力不足が明らかになりました。この状況を受け、陸軍は.45口径のより強力な弾薬を求めました。そこで、.45ロング・コルト弾を自動拳銃用に短縮・改良し、リムレス化したのが.45ACP弾です。

1911年には、アメリカ陸軍が制式採用したM1911がその最初の使用者となりました。この弾薬はアメリカ国内で広く普及し、「.45口径信仰」と呼ばれる現象が生まれました。現在でも、多くのヨーロッパの銃器メーカーがアメリカ市場向けに.45ACP仕様の銃を製造していますが、ヨーロッパ国内ではその人気は薄いのが実情です。これは、弾数の増加や反動の強さなどが影響しています。

アメリカ国内においても、いくつかの州では.45ACP弾を採用した銃が制式化されていますが、多くの地域では.40S&W弾や9mmパラベラム弾が主流です。しかし、LAPDのSWATやFBIの特殊部隊では、これらの部隊独自で.45ACP弾を使用している場合もあります。

概要

この弾薬の初速は亜音速であり、これによりサプレッサーとの相性が良く、射撃音が比較的小さくなるという特性があります。また、.45ACP弾は大口径の重い弾頭による運動エネルギーで打撃力を補っており、ストッピングパワーに優れています。そのため、人体に与える衝撃は大きく、殺傷力が高いとされています。しかし、物質的に貫通する力に関しては他の弾薬より劣ることがあります。

アメリカ軍は、今でも.H&K MARK 23やH&K UMP、コルトM45A1などの.45ACP弾を使用する武器を調達しています。

弾薬の特徴

.45ACP弾は、初速が遅いために空中での弾道が安定しにくいことが課題とされています。このため、1988年にはディーン・グレンネルによって.45スーパーACP弾が開発され、.45ACPの初速を改善しようとした試みが行われました。この新しい弾薬は、同様のサイズを持ちながらも高圧に対応した構造になっており、初速を大幅に向上させています。

主な小火器

• - 拳銃

例: M1905、M1911、コルト・ガバメント、H&K MARK 23など

• - サブマシンガン

例: トンプソン・サブマシンガン、H&K UMPなど

このように、.45ACP弾は多様なモデルに使用されることで、その存在感を今も大きく保っています。

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