.org

.orgドメインについて

.orgは、インターネットのドメイン名システムにおけるジェネリックトップレベルドメイン（gTLD）の一つで、主に「組織」や「団体」を指す"organization"に由来します。このドメインは、1985年に創設され、最初のドメインの一つとして位置づけられています。現在はPublic Interest Registry（PIR）が管理しており、数多くの非営利団体や教育機関、さらには営利法人にも利用されています。

歴史

.orgは、最初に設立されたgTLDの中でも特に歴史が長く、.comや.netなどと同様に当初からのトップレベルドメインの一つです。1985年に設立され、最初にこのドメインを取得したのはMITREコーポレーションという非営利のシンクタンクです。その後、ドメインの運営は2003年からPIRに委託されました。この約20年の間に、様々な組織が.orgドメインを積極的に使うようになりました。

2019年にはPublic Interest RegistryがEthos Capitalに購入される合意がなされ、その運営の営利化や透明性の問題などが指摘されたことで、様々な非営利団体から懸念の声が上がりましたが、2020年にはICANNによってその所有権の移転が拒否され、この取引は取り消されました。

登録方法

.orgドメインの登録は、認定されたレジストラを通じて行われ、特別な制限は設けられていません。このため、商業活動を行っている企業でも.orgドメインを取得することができます。たとえば、実際に商業サイトの一部として運営されているcraigslist.orgが挙げられます。様々な組織や団体がこのドメインを活用しており、その種類は文化機関、スポーツチーム、宗教団体、教育機関など多岐にわたります。

特定の国や地域においては、ccTLD（国別コードトップレベルドメイン）として、同様の使用目的を持つセカンドレベルドメインが導入されています。日本では、.orgドメインと並行して「.or.jp」が使用されており、同様の機能を果たしています。

登録数の推移

.orgドメインは、1990年代の登録数が100万未満から始まり、2013年には1000万を超えるまでに成長しました。特に2000年代後半から2010年代初頭にかけての増加が顕著で、2009年には800万と提供され、2011年末には950万を突破しました。これにより、.orgは登録ドメイン数で三番目に大きなgTLDとなりました。

国際化ドメイン名（IDN）

また、.orgドメインでは国際化ドメイン名（IDN）が可能です。特に、2005年からはドイツ語、スウェーデン語、韓国語などに対しても登録が可能となり、多様な言語環境に対応したサイトが増加しています。

セキュリティ

ドメインのセキュリティ向上にも取り組まれており、2009年にはDNS Security Extensions（DNSSEC）を導入しました。この仕組みによって、DNSデータの信頼性と整合性が高められ、より安全なインターネット環境が実現されています。

登録費用

PIRは認定レジストラに対して、1ドメインごとに年間9.05米ドルの料金を設定しています。ただし、実際のエンドユーザーに対する料金に関しては規制がないため、レジストラごとに異なる料金体系が存在します。

このように、.orgドメインはその広範な用途と歴史的な背景により、今後も多くの団体やプロジェクトにとって重要な存在であり続けることが予想されます。

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